社宅の法人契約に必要な書類と審査|新設法人・赤字決算のとき
会社名義で社宅を借りるとき、必要な書類は貸主・管理会社・保証会社で変わります。法令で決まった様式があるわけではないためです。一般に求められる書類、新設法人や赤字決算のときの進め方、保証会社の審査との付き合い方を整理しました。
「法人契約の必要書類」に公的な決まりはありません
法人が借主になるときの提出書類を定めた法令や通達は見当たりません。貸主・管理会社・保証会社がそれぞれの審査基準として求めているものです。一般に求められることが多いのは次のとおりで、物件により変わります。
| 書類 | どこで用意するか |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 法務局の窓口・オンライン請求。会社の実在と本店の確認に |
| 会社概要・決算書 | 事業内容と沿革が分かる資料。何期分かは相手方次第 |
| 代表者の身分証明書・社判 | 総務部門。写しの提出と記名押印に |
| 入居者の情報 | 氏名、生年月日、在留カードの写し |
登記事項証明書について、法務省は「どなたでも,所定の手数料を納付して,その交付を請求をすることができます」と案内しています。会社でなくても取得できる書類です。
※ 出典:法務省「会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ」。2026年9月時点。
身分証の提出は犯罪収益移転防止法によるものではありません
身分証の提出を、犯罪収益移転防止法のためだと説明されることがあります。しかし国土交通省の資料では、宅地建物取引業者の特定取引は「宅地・建物の売買契約の締結又はその代理若しくは媒介」を指すとされ、賃貸借の媒介・代理は含まれていません。
賃貸で身分証を求められるのは、法律上の本人確認義務ではなく審査上の実務です。何のためにどこまで出すのかを確かめてから社内に依頼すると、往復が減ります。
※ 出典:国土交通省不動産・建設経済局不動産業課「犯罪収益移転防止法の概要について」令和8年4月。2026年9月時点。
新設法人・赤字決算のとき
設立から日が浅い、赤字決算という理由だけで借りられないわけではありません。決算書で判断できない分、別のもので補うよう求められることがあります。代表者個人の連帯保証、預金残高の分かる資料、事業計画などです。何を求められるかに公的な定めはなく、相手方ごとに違います。
代表者が連帯保証人になる場合は、債務をまとめて保証する個人根保証契約に当たります。2020年4月1日施行の改正民法により、極度額(上限額)の定めがなければ効力を生じないとされています。記載の有無を押印の前にご確認ください。
※ 出典:法務省「賃貸借契約に関する民法のルールが変わります」。施行日2020年4月1日。2026年9月時点。
法人向け家賃保証会社の審査で見られる点
何を見るかは各社が個別に定めており、公表されていません。基準が読めない以上、申込みの前に指定保証会社と法人受けの取扱いを照会しておくのが確実です。
一方、確認できることもあります。国土交通省の家賃債務保証業者登録制度は任意の制度で、登録をしなくても家賃債務保証業を営むことは可能とされています。根拠は家賃債務保証業者登録規程(平成29年国土交通省告示第898号、最終改正は令和7年7月18日)です。同省は登録業者と認定業者の一覧を公表しています。
※ 出典:国土交通省「家賃債務保証業者登録制度」。2026年9月時点。
法人契約と本人契約の使い分け
どちらが正しいということはありません。入替えの多さ、初期費用を誰が持つか、社宅規程の内容で決まります。
| 見るところ | 法人契約 | 本人契約 |
|---|---|---|
| 入替えの手間 | 借主は会社のまま。変更手続きで済むことも | 入替えのたびに契約・解約と精算が起きます |
| 初期費用 | 会社が支払い、規程に沿って自己負担分を決定 | 本人が支払います。立替えなら社内の手当が必要 |
| 審査 | 会社と代表者が見られます | 本人の在留資格・収入・勤務先が見られます |
書類をそろえる順番と、逆算の日程
入居日から逆算して動くと待ち時間が減ります。登記事項証明書は法務局、決算書は経理と、取りに行く先が分かれます。
物件を決める前に
登記事項証明書と会社概要、直近の決算書を1セット用意。申込みのたび集め直さずに済みます。
申込みのとき
入居される方の氏名・生年月日・在留カードの情報を添えます。保証会社の照会もこの段階です。
契約のとき
契約名義、記名押印の権限、極度額の記載、解約予告の期間を確認します。
在留資格や労務の手続きそのものは、行政書士・社会保険労務士の業務です。当社がお手伝いできるのは住まいに関する範囲です。書類の取りまとめと保証会社への事前照会はお任せください。ご請求は仲介手数料のみです。
ご利用の流れ
- 1
お問い合わせ・ヒアリング
勤務地、人数、入居希望日、予算、契約名義(法人か本人か)、必要な設備をお聞きします。フォーム・電話・LINEのどれでも構いません。 - 2
物件のご提案
外国籍入居の可否を確認済みの候補を、間取り・家賃・初期費用の一覧でお送りします。ご担当者様が見つけた物件の持込みも歓迎です。 - 3
審査・契約
保証会社の申込み、契約書類の準備、重要事項説明まで当社で行います。法人契約・社宅規程に合わせた書式にも対応します。 - 4
入居・ライフライン開通
鍵のお渡しに合わせて電気・ガス・水道・ネットを開通。家電・SIMもご希望に応じて同時に手配します。
よくあるご質問(法人契約について)
必要書類は決まっていますか。
法令で定められた様式はありません。貸主・管理会社・保証会社それぞれの審査基準によるため、一般に求められる書類を先に用意しておきます。
新設法人でも法人契約はできますか。
決算書で判断できない分、代表者の連帯保証や預金残高の資料を求められることがあります。相手方ごとに違います。
代表者が連帯保証人になるときの注意点は。
個人根保証契約に当たり、2020年4月1日施行の改正民法により極度額の定めがなければ効力を生じないとされています。
保証会社の審査基準を教えてもらえますか。
各社が個別に定めており、公表されていません。申込み前に指定保証会社と法人受けの取扱いを照会しておきます。
犯罪収益移転防止法の本人確認は必要ですか。
宅地建物取引業者の特定取引は宅地・建物の売買とその代理・媒介とされ、賃貸借は含まれません。身分証は審査上の実務です。


