「退院が決まったけど、帰る家がない」
「入院が長引いて、部屋を引き払うことになった」
「入院中に部屋を探せるのだろうか」
退院は本来、喜ばしいことのはずです。ところが住まいがないと、退院そのものが不安の種になります。病院にはいつまでもいられませんし、体調が万全でない状態で部屋を探すのは簡単ではありません。
この記事でお伝えしたいのは、ひとつです。部屋探しは、退院してからでは遅い。入院中に始めてください。入院したまま物件を探し、契約まで進めることは可能です。そしてもうひとつ、生活保護を受けている方には入院が9か月を超えると住宅扶助が止まるという重要なルールがあります。この記事では、退院日から逆算した進め方を整理します。
📋 この記事でわかること
- 入院中、いまの部屋はどうなっているか
- 9か月を超える前にすべきこと
- 退院日から逆算するスケジュール
- 入院したまま部屋を探せるのか
- 誰に相談すればいいか
- 退院後の体に合った部屋を選ぶ
- よくある疑問Q&A
生活保護を受けながら入院した場合、支給の内容が段階的に変わります。
| 入院1か月まで | 通常どおりの生活扶助と住宅扶助が支給されます |
|---|---|
| 入院1か月を超えると | 生活扶助が「入院基準」に切り替わり、入院患者日用品費という区分になります。金額は居宅の生活扶助より下がります |
| 住宅扶助 | 入院中も継続して支給されます。退院後の生活の基盤を維持するためです |
| ただし9か月まで | 入院が長引いて9か月を超えると、住宅扶助の支給が停止されることがあります。その場合、いまの部屋は引き払うことになります |
| 医療費 | 医療扶助の対象です。詳しくは入院費についての記事をご覧ください |
部屋を引き払うことになった場合、いくつかの一時扶助が使える可能性があります。これらは自分から相談しないと始まりません。
| 費目 | 内容 |
|---|---|
| 家財保管料 | 入院などで住居を離れる際、家財を預けておく費用です。単身世帯の場合、1年を上限に支給されることがあります。ほかに支援の手段がないことが条件です |
| 家財処分料 | 家財の処分が必要な場合に、最低限の処分費用が支給されることがあります。単身の方で、片づけてくれる人がいないと想定される場合が対象です |
| 退院後の転居費用 | 退院後に新しい住居へ移る際の敷金や引っ越し費用が、一時扶助の対象になる場合があります |
| 家具什器費 | 新しい住居で最低限の生活用品がそろわない場合に対象となることがあります |
物件が決まってから入居まで、実際には数週間かかります。退院日が決まったら、そこから逆算してください。
1退院の1〜2か月前|相談を始める
病院の相談員(医療ソーシャルワーカー)とケースワーカーに、退院後の住まいがないことを伝えます。ここが出発点です。転居には事前の承認が必要なので、この相談を飛ばすことはできません。
2退院の1か月前|条件を決めて物件を探し始める
住宅扶助の上限額、通院先までの距離、体の状態に合った間取り。条件を整理して、不動産会社に相談します。
3退院の3〜4週間前|物件を決めて報告する
家賃と初期費用の見積もりをケースワーカーへ提出し、承認を得ます。承認前に契約すると、敷金や引っ越し費用が支給されないことがあります。
4退院の2〜3週間前|申し込み・審査・契約
保証会社の審査は早ければ数日ですが、書類の不備があると延びます。契約手続きと初期費用の支払いのタイミングも確認してください。
5退院の1週間前|ライフラインの開通と家財の搬入
電気・ガス・水道を退院日から使える状態にします。ガスは立ち会いが必要なので、日程を先に押さえてください。保管していた家財があれば搬入します。
6退院当日|入居
退院してそのまま新しい部屋へ入れる状態を目指します。転入・転居の届出は入居後14日以内に市区町村役場へ提出してください。
結論から言えば、可能です。ただし、いくつか工夫が必要になります。
| 物件の情報収集 | 不動産会社に条件を伝えれば、候補を絞って情報を送ってもらえます。病室で検討できます |
|---|---|
| 内見 | 外出の許可が出るなら、退院前に一度見ておくのが理想です。難しい場合は、写真や動画で詳しく見せてもらう、必要な寸法を測って報告してもらうといった対応が可能です |
| 書類のやりとり | 郵送やメールで進められます。病院へ書類を送ってもらうことも、状況に応じて相談できます |
| 契約 | 重要事項の説明を受ける必要があります。方法については不動産会社に相談してください |
| 住所 | 入院中でも、現在の住民票の所在地で手続きを進められます。住まいがない状態の方は、福祉事務所に相談してください |
退院後の住まいの確保には、立場の違う三者が関わります。この三者がつながっていることが、うまく進む条件です。
🤝 関わる三者
| 病院の相談員 (医療ソーシャルワーカー) | 退院後の生活について相談に乗る立場の方です。退院の見通し、必要な医療や介護、利用できる制度について把握しています。まずここに相談してください |
| ケースワーカー | 転居の承認、住宅扶助の上限額、一時扶助の可否を判断します。承認なしに話は進められません |
| 不動産会社 | 条件に合う物件を探し、審査を通し、契約と入居の手続きを行います |
入院前と同じ体の状態とは限りません。ここが、通常の部屋探しといちばん違うところです。
| 階段かエレベーターか | 入院前は2階に住めていても、退院後は階段がつらいことがあります。1階、またはエレベーターのある物件を検討してください |
|---|---|
| 浴室とトイレ | 手すりの有無、出入口の幅、浴槽のまたぎの高さ。介助が必要になる可能性も含めて考えてください |
| 通院先までの距離 | 退院後も通院が続くなら、これが最重要の条件になることがあります。家賃より優先すべき場合があります |
| 買い物のしやすさ | 体調が万全でない時期に、重い荷物を持って長い距離を歩くのは負担です。徒歩圏にスーパーがあるか確認してください |
| 介護サービスの利用 | 訪問介護や訪問看護を利用する予定があるなら、事業所が対応できる地域かを確認してください |
| 緊急時の対応 | 体調が急変したときに助けを呼べる環境か。オートロックや管理人の有無も判断材料になります |
🏠 退院後の住まい探しは不動産のイブキへ
- 「退院までに部屋を決めたい」
- 「入院中で動けないが、候補を見せてほしい」
- 「通院しやすい場所で、体に合った間取りを探したい」
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📌 まとめ
- 部屋探しは退院してからでは遅い。入院中に始めれば、退院した日にそのまま自分の部屋へ帰れる
- 入院1か月を超えると生活扶助が入院基準に切り替わる。住宅扶助は継続するが、9か月を超えると停止されることがある
- 部屋を引き払う場合、家財保管料(単身で1年上限)や家財処分料が支給されることがある。原状回復費用は対象外
- 退院日から逆算し、1〜2か月前に相談を開始。物件決定・承認・審査・契約・ライフライン開通に数週間かかる
- 入院したままでも物件の提案、写真や動画での確認、寸法の報告は可能
- 関わるのは病院の相談員・ケースワーカー・不動産会社の三者。まず病院の相談員へ
- 退院後は入院前と体の状態が違うことがある。階段・浴室・通院先までの距離を優先して選ぶ
- 車椅子や介助が必要なら、住宅扶助の特別基準で上限が上がる場合がある





