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2026.06.16

生活保護の扶養照会——親・兄弟・子どもに連絡は必ず行く?拒否できる?名古屋市での実態を解説

「生活保護を申請したら親や兄弟に連絡が行く?知られたくないので申請をためらっている

「扶養照会を拒否することはできる?断ったら申請が認められない?

「DVで家族と縁を切っている。それでも扶養照会される?

「生活保護を申請すると家族に連絡が行く」という扶養照会の仕組みが、申請をためらう大きな理由のひとつになっています。「親に知られたくない」「兄弟に頼みたくない」「家族と縁を切っている」——こうした事情を抱えながらも生活保護を必要としている方が多くいます。

2021年以降、扶養照会の運用が見直され、照会を省略できる範囲が広がっています。この記事では扶養照会の仕組み・照会される範囲・省略できるケース・名古屋市での実態を整理します。

📋 この記事の内容

  1. 扶養照会とは——誰に、何を聞くのか
  2. 照会される家族の範囲
  3. 2021年以降の運用見直し——省略できるケースが増えた
  4. 扶養照会を拒否できるか
  5. 照会されても扶養を強制されるわけではない
  6. 名古屋市での実態
  7. よくある疑問Q&A
01扶養照会とは——誰に、何を聞くのか

扶養照会とは、生活保護の申請があった際に、申請者の親族(扶養義務者)に対して「援助できるかどうか」を確認する手続きです。民法上、直系血族(親・子・祖父母・孫)と兄弟姉妹には扶養義務があるとされており、生活保護法第4条はこの扶養が優先されることを定めています。

照会の方法は、福祉事務所から扶養義務者に郵便(照会文書)が送られ、「援助できるか・いくら援助できるか」を回答してもらう形が一般的です。電話や訪問で確認されることもあります。

⚠️ 扶養照会はあくまで「確認」であり、家族に援助を強制するものではありません。照会を受けた家族が「援助できない」と回答した場合、申請者の生活保護は影響を受けません。「家族が断れば保護してもらえる」という理解が正しいです。
02照会される家族の範囲

扶養照会の対象は民法上の扶養義務者です。

続柄 扶養義務の有無 照会対象
親(父・母) あり(直系血族) 原則対象
子ども あり(直系血族) 原則対象
兄弟姉妹 あり 原則対象(ただし2021年通知で省略しやすくなった)
祖父母・孫 あり(直系血族) 原則対象
配偶者 あり(強い扶養義務) 同居の場合は世帯として扱われる
おじ・おば・いとこ等 原則なし 対象外
032021年以降の運用見直し——省略できるケースが増えた

2021年3月に厚生労働省が扶養照会の運用を見直し、以下のケースでは扶養照会を省略(または簡略化)できることが明確化されました。

省略できるケース 内容
DVや虐待の事実がある 家族からDV・虐待を受けていた・現在も被害の恐れがある場合は照会しない
長期間(概ね10年以上)音信不通 家族と長年連絡を取っておらず、関係が断絶している場合は省略可
家族が高齢・病気・生活困窮 照会先の家族自身が援助できる状況にない場合は省略可
申請者が未成年の場合の祖父母以遠 祖父母への照会が生活に支障をきたす場合は省略可
兄弟姉妹で70歳以上の高齢者 援助能力が低いとみなされ省略しやすくなった
💡 「家族に知られたくない事情がある」場合は申請時にケースワーカーへ伝えてください。「DVがあった」「10年以上連絡していない」「家族も生活が苦しい」という事情を正直に話すことで、扶養照会が省略されることがあります。言わなければ省略の検討もされません。

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04扶養照会を拒否できるか

申請者が「扶養照会をしないでほしい」と要望することは可能です。ただし法律上、福祉事務所は扶養義務者への照会を行う権限を持っているため、申請者が拒否しても照会が実施されることがあります。

現実的な対応として「照会を省略してほしい理由」を具体的に伝えることが最も効果的です。「DVがあった」「10年以上連絡していない」などの事情を申請時に文書または口頭で伝え、省略を申し出てください。理由が認められれば照会は省略されます。

「家族に知られることで生命・身体の安全に支障がある」という場合(DVから逃げている等)は、特に強く省略を求めることができます。弁護士や支援機関に同行してもらうことで、より確実に省略を求めることができます。

05照会されても扶養を強制されるわけではない

扶養照会は「援助できるか確認する」手続きであり、「援助しなければならない」と強制するものではありません。照会を受けた家族が「援助できない」「援助しない」と回答した場合、または回答がなかった場合、申請者への生活保護は通常通り審査・決定されます。

家族が「援助できる」と回答した場合でも、その援助が確実に行われる保証がなければ生活保護が開始されます。扶養照会はあくまで「可能性の確認」です。

つまり「家族に照会が行っても、家族が断れば保護を受けられる」というのが実態です。「家族に迷惑がかかる」という心配よりも、「家族が断ってくれれば問題ない」という理解の方が正確です。

06名古屋市での実態

名古屋市でも2021年の通知見直し以降、扶養照会の運用が変わっています。「長年連絡を取っていない」「家族からDVを受けていた」という申告があれば、照会を省略する方向で対応されることが増えています。

申請時に「扶養照会について相談したい」とケースワーカーへ伝えることができます。省略を求める場合は「なぜ照会されたくないか」の理由を具体的に伝え、必要であれば書面にまとめることで対応してもらいやすくなります。

申請に不安がある方・扶養照会の対応について相談したい方は、まず名古屋市の各区役所の福祉課へ相談してください。法テラス(0570-078374)では弁護士への無料相談も可能です。

07よくある疑問Q&A
Q. 10年以上連絡を取っていない親がいる。それでも照会される?
2021年の運用見直しにより、概ね10年以上音信不通の場合は照会を省略できることが明確化されました。申請時に「○年間連絡を取っておらず、住所も知らない」という事実をケースワーカーへ伝えてください。省略の対象として検討してもらえます。
Q. DVで逃げてきた。元夫(加害者)に照会が行く?
DV被害がある場合は照会を省略します。申請時に「DVがあり、加害者への照会は安全上の問題がある」と明確に伝えてください。DV被害の証明(相談機関の記録・保護命令等)があればより確実ですが、申告だけでも省略を検討してもらえます。
Q. 照会を受けた子どもが「援助できる」と回答した。保護は受けられなくなる?
子どもが「援助できる」と回答しても、実際の援助が確実でなければ生活保護は開始されます。「援助できる」と言いながら実際には援助が行われない場合、その状況を踏まえた上で保護の決定がされます。照会への回答だけで即座に保護が打ち切られることはありません。

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📌 まとめ

扶養照会は生活保護申請時に親族(親・子・兄弟姉妹等)に援助可能かを確認する手続きです。2021年の運用見直しにより、DV・10年以上の音信不通・家族の生活困窮などの事情がある場合は照会を省略できることが明確化されました。照会を受けた家族が断れば申請者への保護は影響を受けません。「家族に知られたくない事情がある」場合は申請時に理由を具体的にケースワーカーへ伝えることが省略への最も有効な対応です。名古屋市では各区役所の福祉課が相談窓口です。

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