「備蓄をしましょう」と言われても、毎月のやり繰りに余裕がなければ、まとめて買い揃えるのは難しいことです。
この記事は、生活保護を受けながら暮らしている方に向けて、お金をかけずにできる備えから順にご説明します。数万円のセットを買う話ではありません。
名古屋市は南海トラフ地震の想定区域に含まれ、区によっては洪水や内水氾濫のリスクもあります。まず自分の住まいがどんな場所なのかを知るところから始めてください。それは無料でできます。
この記事でわかること
- まず無料でできること|自分の住まいを知る
- 名古屋市のハザードマップの見方
- お金をかけずにできる備え
- 少しずつ備蓄する方法
- 避難所について知っておくこと
- 持病がある方・通院している方へ
- 物件を選ぶときに確認すること
- よくあるご質問
備蓄より先にやることがあります。今住んでいる場所に、どんな災害のリスクがあるかを知ることです。
これは1円もかかりません。そして、備えの内容を決める土台になります。
① 自宅が浸水する可能性のある場所か
② 地震のときにどのくらい揺れると想定されているか
③ いちばん近い避難所はどこか、どう行くか
この3つが分かれば、優先順位が決まります。浸水の可能性がある場所なら「上階へ移動する」ことが最初の行動になりますし、そうでなければ「その場で身を守る」ことが基本になります。
名古屋市は、区ごとにハザードマップを公開しています。市のウェブサイトから無料で見られますし、区役所でも入手できます。
| 種類 | 何が分かるか |
|---|---|
| 洪水ハザードマップ | 川があふれた場合の浸水範囲と深さ |
| 内水氾濫ハザードマップ | 大雨で下水道等があふれた場合の浸水。川から離れていても起こります |
| 高潮ハザードマップ | 台風などによる高潮の浸水想定 |
| 地震ハザードマップ | 南海トラフ地震での震度、液状化の可能性 |
| 津波ハザードマップ | 津波の浸水範囲 |
| 指定避難所マップ | 避難所の場所 |
見落とされやすいのが内水氾濫です。「近くに川がないから大丈夫」と思っていても、大雨で下水道が処理しきれなくなれば浸水します。名古屋市内では、この想定区域が広い範囲にわたる区もあります。
区役所の窓口で紙のハザードマップをもらえます。ケースワーカーとの面談の際に、区役所でついでに受け取ってくることもできます。
「なごやハザードマップ」のウェブサイトでは、住所を入力して災害リスクを調べることもできます。やさしい日本語版や英語版も用意されています。
費用をかけずにできることから並べます。
・家具の配置を変える/寝る場所の近くに、倒れてくる高い家具を置かない。これだけで危険が減ります
・玄関までの通り道に物を置かない/逃げるときに邪魔になります
・ペットボトルに水を汲んで置いておく/飲み水にはできませんが、トイレを流す水として使えます
・連絡先を紙に書いて貼る/スマートフォンの充電が切れても見られます
・お風呂の水を抜かずに残しておく/断水したときの生活用水になります
・スマートフォンの緊急速報をオンにする/設定を確認するだけです
とくに家具の配置は効果が大きい割に、費用がまったくかかりません。寝ている場所の頭の上に本棚がある、といった状態は避けてください。
家具を固定する器具も、壁に穴を開けない突っ張り式のものであれば、賃貸でも使えます。ただし購入には費用がかかりますので、まずは配置の見直しから始めてください。
「3日分の備蓄」と言われますが、一度にそろえる必要はありません。
| 方法 | やり方 |
|---|---|
| いつも少し多めに買う | 普段食べているレトルト食品や缶詰を、買い物のたびに1つ多く買う。使ったら買い足す |
| 特売のときに買う | 水や保存のきく食品が安いときにまとめて買う |
| 普段使うものから始める | 非常食を特別に買うのではなく、日常的に食べるもので保存がきくものを選ぶ |
この方法はローリングストックと呼ばれます。特別な非常食を買うより安く、賞味期限切れで無駄にすることもありません。
① 水(1人1日3リットルが目安とされますが、まず数本から)
② 食べ物(缶詰、レトルト、乾麺など火を使わなくても食べられるもの)
③ 常備薬(普段飲んでいる薬。後述します)
④ 懐中電灯(停電時に必要。100円ショップでも手に入ります)
⑤ 携帯トイレ(断水すると水洗トイレが使えません)
すべてを一度に用意できなくても構いません。何もないより、水が数本あるほうがずっといいという考え方で、できるところから始めてください。
避難所は、その地域に住んでいる方であれば利用できます。生活保護を受けているかどうかは関係ありません。遠慮する必要はまったくありません。
知っておくと役立つ点をいくつか挙げます。
・ペットの扱いは避難所によって異なります/飼っている場合は事前に確認しておいてください
・必ずしも避難所に行くことが正解とは限りません/自宅が安全であれば、そのまま留まる選択もあります
・持ち出すものを決めておく/薬、お薬手帳、保険証や医療券に関する書類、現金、充電器
「マイ・タイムライン」という、災害時に自分がどう行動するかを時系列で整理するシートを名古屋市が公開しています。書き込んでおくと、いざというときに迷いません。
災害時に最も困りやすいのが、薬の問題です。
| 準備 | 理由 |
|---|---|
| お薬手帳を持ち出せるようにしておく | 避難先で診てもらうとき、何を飲んでいるかを伝えられる。これが最も重要です |
| お薬手帳の写真を撮っておく | 手帳を持ち出せなくても、スマートフォンに残ります |
| 薬を切らさないようにする | 受診の間隔を空けすぎると、災害と重なったときに手元の薬が尽きます |
| かかりつけの医療機関を控えておく | 名称、電話番号、診療科 |
薬が足りなくなりそうなときは、我慢せず早めにケースワーカーや医療機関にご相談ください。災害時の医療については、通常と異なる扱いになる場合があります。
転居を検討される場合、家賃だけでなく、こうした点も見ておくと安心です。
| 確認項目 | ポイント |
|---|---|
| ハザードマップ上の位置 | 浸水想定区域かどうか。物件の住所で調べられます |
| 建物の建築時期 | 1981年6月以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準が適用されています |
| 部屋の階数 | 浸水想定区域では、上階のほうが安全な場合があります |
| 避難所までの距離 | 歩いて行ける距離か。坂や階段がないか |
| 周辺の状況 | 川や水路が近くにないか、擁壁や崖がないか |
ただし、住宅扶助の上限がある中で、すべての条件を満たすのは難しいこともあります。優先するなら、ハザードマップ上の位置と建築時期です。
不動産のイブキは名古屋市西区に拠点を置き、生活保護を受けながらのお部屋探しを日常的にお手伝いしています。物件をご提案する際、こうした点もあわせてご説明します。ご自身で調べるのが難しい場合も、お気軽にお尋ねください。
この記事のまとめ
備蓄より先に、自分の住まいのリスクを知ってください。ハザードマップの確認は無料でできます。
名古屋市は区ごとに、洪水・内水氾濫・高潮・地震・津波のハザードマップを公開しています。とくに内水氾濫は、川が近くになくても起こる点にご注意ください。
費用をかけずにできる備えがあります。避難所まで一度歩く、寝る場所の近くに高い家具を置かない、お風呂の水を残す、連絡先を紙に書いて貼る。どれもお金がかかりません。
備蓄は一度にそろえなくて構いません。買い物のたびに1つ多く買い、使ったら買い足す方法(ローリングストック)が、安く続けやすい方法です。
持病がある方は、お薬手帳を持ち出せるようにしておくことが最も重要です。写真を撮っておくのも有効です。
避難所は、その地域にお住まいの方であれば利用できます。遠慮する必要はありません。
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