「10万円送ってもらったのに、口座に入ったのは9万円台だった」——留学生からよく聞く話です。
原因は手数料です。海外送金では、送る側だけでなく受け取る側にも手数料がかかります。さらに為替レートにも手数料が上乗せされており、明細に「手数料」と書かれていない部分で目減りしています。
この記事では、どこでお金が減るのかを整理し、家賃の支払いに間に合わせるための注意点をご説明します。
この記事でわかること
- 手数料は1つではありません
- 受け取る側にもかかります
- 為替レートに隠れた手数料
- 送金方法の種類
- 比べ方のコツ
- 家賃の支払いに間に合わせる
- 気をつけること
- よくあるご質問
海外送金で発生する費用は、複数に分かれています。
| 手数料の種類 | 誰が払うか | 内容 |
|---|---|---|
| 送金手数料 | 送る側 | 送金を依頼するときにかかります |
| 中継銀行手数料 | 状況による | 間に入る銀行が差し引きます。事前に金額が分かりにくいのが難点です |
| 受取手数料 | 受け取る側 | 日本の銀行で受け取るときにかかります |
| 為替手数料 | 実質は受け取る側 | 両替のレートに上乗せされています |
| リフティングチャージ | 受け取る側 | 両替が生じない場合にかかることがあります |
とくに中継銀行手数料は要注意です。銀行を通した送金では、送金と受取が完了するまで金額がはっきりしないことがあり、事前に正確な費用を把握するのが難しいとされています。
ここが誤解されやすい点です。
親が母国で送金手数料を払っているから、日本側では何もかからない——ということはありません。日本の銀行で外貨の送金を受け取る際には、受取手数料に加えて、為替手数料やリフティングチャージがかかることがあります。
仕送りをしてもらう際、「いくら送る」ではなく「いくら受け取れる」で話してください。
「10万円必要」と伝えると、10万円ちょうどを送金されて、手元には9万円台しか残らないことがあります。手数料を上乗せして送ってもらう必要があります。
明細に書かれない手数料があります。それが為替レートへの上乗せです。
外貨で送られてきたお金を円で受け取るとき、両替は銀行が定めるレートで行われます。このレートには、本来の為替レート(ミッドマーケットレート)より不利な条件が含まれていることがほとんどです。
| 見え方 | |
|---|---|
| 送金手数料 | 明細に金額が書かれます |
| 為替手数料 | レートに含まれており、金額として表示されないことが多い |
「送金手数料が安い」という理由だけでサービスを選ぶと、為替レートで損をすることがあります。送金額が大きいほど、この差は大きくなります。
大きく3つに分かれます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 銀行の海外送金 | 信頼性が高く、サポートも充実。ただし手数料は比較的高めで、中継銀行手数料が読みにくい |
| ネット銀行 | 店舗型より手数料が抑えられる傾向があります |
| 送金サービス会社 | 独自のネットワークを持ち、基本的に中継銀行手数料がありません。為替レートも分かりやすいとされています |
どれが最も安いかは、送金元の国、通貨、金額によって変わります。この記事で特定のサービスをおすすめすることはしません。ご自身の条件で比べてください。
送金には、送る側の国の規制も関わります。国によっては送金額に上限があったり、手続きに書類が必要だったりします。ご家族と一緒に、母国側で使えるサービスを確認してください。
手数料の比較は複雑ですが、判断の方法は単純です。
これが唯一の正しい比べ方です。送金手数料、中継銀行手数料、為替レート、受取手数料——すべてを含んだ結果が、この数字に表れます。
多くの送金サービスでは、送金前にシミュレーションができます。金額を入力すると、実際に届く額と着金予定日が表示されます。複数のサービスで同じ金額を入力して比べてください。
| 比べる項目 |
|---|
| 実際に受け取れる金額 |
| 着金までの日数 |
| 送金元の国・通貨に対応しているか |
| 1回あたりの送金上限 |
| 受け取り方法(銀行口座、現金受取など) |
家賃には支払期日があります。送金が遅れると、滞納になります。
| 確認すること | ポイント |
|---|---|
| 家賃の引き落とし日 | 契約書に書かれています。多くは前月末または当月初め |
| 着金までの日数 | サービスによって数分から数日まで幅があります |
| 母国の祝日・休業日 | 送金の処理が止まることがあります |
| 日本の祝日 | 着金処理が翌営業日になることがあります |
引き落とし日の当日に着金する計画では、何かあったときに間に合いません。最低でも1週間前には口座に入っている状態を目指してください。
また、家賃の引き落としは口座に残高がないと失敗します。残高不足による滞納は、契約更新や次の物件を借りるときに影響することがあります。
送金のタイミングが不安定な場合、2〜3か月分をまとめて送ってもらう方法もあります。手数料の回数も減らせます。ただし、まとまった金額を管理する必要があります。
・銀行コード・支店名を正確に/間違えると組戻し(送金の取り消し)が必要になり、手数料がかかります
・送金目的を聞かれることがあります/「学費・生活費」など、正直に答えてください
・友人の口座で受け取らない/トラブルの原因になります。必ず自分の口座で
・「手数料が無料」という勧誘に注意/正規の事業者かどうかを確認してください
・記録を残す/送金の明細は保管してください。在留資格の更新などで求められることがあります
最後の項目は重要です。在留期間の更新では、学費や生活費をどう支弁しているかが確認されます。送金の記録は、その裏付けになります。
なお、来日6か月未満の方は、日本で普通預金口座を開けないことがあります。この場合、送金を受け取る手段が限られます。口座開設については別の記事でご説明しています。
この記事のまとめ
海外送金の手数料は1つではありません。送金手数料、中継銀行手数料、受取手数料、為替手数料が発生します。受け取る側にもかかります。
とくに為替手数料はレートに含まれており、金額として表示されないことが多いため、気づきにくい部分です。送金額が大きいほど差が広がります。
比べ方は1つだけです。「〇〇円送ったら、日本でいくら受け取れるか」で比較してください。多くのサービスで事前のシミュレーションができます。
仕送りを頼むときは、「いくら送る」ではなく「いくら受け取れる」で伝えてください。手数料分を上乗せして送ってもらう必要があります。
家賃の引き落とし日から逆算し、最低でも1週間前には着金しているようにしてください。残高不足による滞納は、契約更新や次の物件に影響することがあります。
送金の記録は保管してください。在留期間の更新で求められることがあります。
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