「外国人はお断りです」——電話口でそう言われた経験のある方は、少なくないと思います。
まず知っておいていただきたいのは、国籍だけを理由に入居を拒否することは、法的に許されないと裁判所が判断しているということです。実際に損害賠償が命じられた事例が複数あります。
ただし現実には、断られた場で争っても、住む場所は決まりません。この記事では法的な位置づけを整理したうえで、実際に部屋を見つけるための現実的な進め方をご説明します。
この記事でわかること
- 国籍を理由にした拒否は違法とされています
- 実際の裁判例
- 「合理的な条件」との違い
- 断られたときにどうするか
- 断られにくくするための準備
- 相談できる窓口
- オーナー様・管理会社様へ
- よくあるご質問
「誰に貸すかは所有者の自由ではないか」と考える方もいます。契約自由の原則です。
しかし、この原則は無制限ではありません。憲法14条は個人の間でも人種による差別を許しておらず、「申し込んできた相手が外国人だったこと」は契約を拒否する合理的な理由にはならないと整理されています。
契約の成立に向けて交渉がかなり進んだ段階では、相手の期待を裏切らないようにする信義則上の義務が生じるとされています。この段階で合理的な理由なく拒否すると、不法行為として損害賠償の対象になり得ます。
実際、引っ越し業者のキャンセル料まで含めて賠償が命じられた事例があります。
参考として、公表されている事例をご紹介します。
| 事例 | 判断 |
|---|---|
| 契約交渉が相当進んだ段階で、在日韓国人であることを理由に入居を断った事例(平成5年 大阪地裁) | 拒否に合理的な理由がないとして損害賠償を命じた |
| 賃貸住宅を探す外国人に対し、宅建業者が肌の色を問いただした事例(平成15年 埼玉地裁、東京高裁) | 人格的利益の毀損を認め、損害賠償を命じた |
| 在日韓国人夫妻が韓国籍を理由に入居を拒否された事例(平成18年 神戸地裁、大阪高裁) | 憲法14条1項の趣旨に反する差別であり、社会的に許容される限度を超える違法なものとして損害賠償を命じた |
これらに共通するのは、「外国籍である」ということ以外に、拒否する理由がなかったという点です。
誤解のないようお伝えすると、あらゆる断り方が違法というわけではありません。
不動産の専門機関の解説でも、裁判例が問題としているのは「外国人」という理由のみで入居を拒否することであり、合理的な入居条件を設けること自体は許容されると整理されています。
| 問題になりやすい断り方 | 合理的とされ得る条件 |
|---|---|
| 「外国人はお断り」 | 収入に対して家賃が高すぎる |
| 国籍だけを理由にする | 保証会社の審査に通らなかった |
| 肌の色や出身を問いただす | 緊急時に連絡が取れる体制がない |
| 話が進んだ後で国籍を理由に翻す | 契約内容を理解できる手段が確保できない |
右側の条件は、日本人が申し込む場合にも同じように問われるものです。裏を返せば、これらを整えておけば、断る理由がなくなるということでもあります。
ここは正直にお伝えします。その場で法律論を持ち出すことは、おすすめしません。
理由は2つあります。ひとつは、争っている間も住む場所は決まらないこと。もうひとつは、仮に裁判で勝ったとしても、その物件に住めるとは限らないことです。実際、賃借権の確認までは認められなかった事例があります。
① その物件は諦めて、次に進む/時間を失うほうが損失です
② 外国籍の方の入居に慣れた不動産会社を使う/最初から受け入れ実績のある物件に絞れます
③ 記録は残しておく/日付、会社名、言われた内容。後で相談する場合の材料になります
④ 悪質な場合は窓口に相談する/後述します
②が最も効きます。物件を一件ずつ当たって断られるより、受け入れ可能な物件を知っている会社に相談するほうが、圧倒的に早く決まります。
前章の「合理的な条件」を先に満たしておくことで、断られる場面を減らせます。
| 準備すること | 効果 |
|---|---|
| 保証会社を利用できる物件を選ぶ | 家賃滞納への不安が減る。保証人がいなくても進められる |
| 収入を示す書類をそろえる | 雇用契約書、内定通知書、給与明細など。在留カードだけでは収入が分からない |
| 日本国内の緊急連絡先を用意する | 勤務先の担当者や支援機関でも認められる場合がある |
| 在留期間の残りを確認する | 短い場合は、更新申請中であることを示す |
| 日本語での対応手段を示す | 通訳できる方の同席、または多言語対応の不動産会社を使う |
| 生活ルールを理解していることを伝える | ゴミ出しや騒音への配慮を説明できると、不安が下がる |
オーナー様の不安の多くは「何かあったとき連絡が取れるか」に集約されます。ここが解消されると、話が進むことは少なくありません。
対応が悪質だと感じた場合、相談先があります。
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 法務局の人権相談 | 人権に関わる問題として相談できる。外国語での相談に対応している窓口もある |
| 都道府県の宅建業担当課 | 宅建業者の対応について相談できる |
| 自治体の外国人相談窓口 | 名古屋市内であれば名古屋国際センターなど。多言語で相談できる |
| 法テラス | 法的なトラブルの相談。要件を満たせば無料相談を利用できる場合がある |
なお、個別の事案が違法かどうかの判断は、弁護士等の専門家にご確認ください。この記事は一般的な整理をお示しするものです。
ここまでは借りる側の視点で書きましたが、貸す側にも申し上げたいことがあります。
外国籍の方の入居に不安を感じる理由は、多くの場合「何かあったとき対応できるか分からない」という点にあります。これは差別意識というより、経験がないことからくる不安です。
その不安は、仕組みで解消できます。
・多言語対応の不動産会社/入居時の説明も、トラブル時の連絡も引き受けられます
・法人契約/勤務先が契約者になれば、連絡先が明確になります
・生活ルールの事前説明/ゴミ出しや騒音は、伝えていないだけということが多くあります
不動産のイブキは、外国籍の方の住まい手配を専門的に扱っています。入居者への説明から入居後の連絡対応まで含めてお引き受けできますので、これまで受け入れをためらっていた物件についてもご相談ください。スペイン語・ポルトガル語での対応が可能です。
オーナー様・管理会社様へ
外国籍の入居者への対応を、当社がまとめてお引き受けします。入居時の生活ルール説明、トラブル時の多言語対応、法人契約でのご提案まで。空室でお悩みの物件がありましたらご相談ください。
この記事のまとめ
国籍だけを理由に入居を拒否することは、憲法14条の趣旨に反する差別として、裁判所が違法と判断した事例が複数あります。とくに契約交渉が進んだ段階での拒否は、信義則上の義務違反として損害賠償の対象になり得ます。
一方で、合理的な入居条件を設けること自体は許容されるとされています。収入とのバランス、保証会社の審査、緊急連絡先の有無などは、日本人が申し込む場合にも問われる事項です。
断られた場合、その場で争うことはおすすめしません。住む場所が決まらないまま時間が過ぎるためです。外国籍の方の入居実績がある不動産会社に相談するほうが、結果的に早く決まります。
準備としては、保証会社を使える物件を選ぶ、収入を示す書類をそろえる、日本国内の緊急連絡先を用意する、日本語での対応手段を示す、が有効です。
対応が悪質な場合は、法務局の人権相談、宅建業担当課、自治体の外国人相談窓口、法テラスといった相談先があります。個別の判断は専門家にご確認ください。
断られてお困りの方へ。まずご相談ください
不動産のイブキは外国籍の方の住まい手配を専門的に扱っています。受け入れ実績のある物件からお探ししますので、何件も断られる経験を繰り返す必要はありません。保証人がいない方もご相談ください。スペイン語・ポルトガル語対応。
0120-337-900不動産のイブキ(伊吹株式会社)/名古屋市西区庄内通3丁目9-4/国土交通大臣(1)第10691号





