「2人で住めば家賃が半分になる」——学生からよく出る発想ですし、学校としても戸数を抑えられる魅力があります。
ただし、ここには落とし穴があります。「二人入居可」と「ルームシェア可」はまったく別の条件です。二人入居可の物件の多くは家族や親族を想定しており、友人同士の入居は認められません。この違いを知らずに進めると、契約違反になります。
この記事では、シェア入居の可否と、実務上の注意点を整理します。
この記事でわかること
- 「二人入居可」と「ルームシェア可」は違います
- 契約の形も違います
- 審査が厳しくなる理由
- 無断で人数を増やすとどうなるか
- 学校名義なら解決するのか
- シェアで起きやすいトラブル
- それでもシェアを選ぶ場合
- よくあるご質問
物件情報でよく見る2つの表記ですが、意味が異なります。
| 二人入居可 | ルームシェア可 | |
|---|---|---|
| 意味 | 単身者向けの間取りだが2人で住んでよい | 個別の部屋を持たず、スペースを共有して住んでよい |
| 想定される関係 | 家族・親族・婚約関係が前提のことがほとんど | 友人同士でも可 |
| 友人同士 | 認められない物件が多い | 可能 |
| 間取り | 1DK〜2LDK程度が中心。ワンルームでも表記があれば可 | 部屋数のある間取りが中心 |
「二人入居可だから、学生2人で住める」という理解は誤りです。友人同士の同居を認めていない物件が多く、契約後に発覚すれば違反になります。
学生同士のシェアを想定するなら、「ルームシェア可」の物件を探す必要があります。ただし数は多くありません。
| 二人入居可 | ルームシェア可 | |
|---|---|---|
| 契約の形 | 契約者は1名、もう1人は同居者として登録 | 入居者全員を契約者とする連名契約が主流 |
| 審査の対象 | 契約者のみのことが多い | 入居者全員 |
| 連帯保証人 | 契約者の分 | 各入居者それぞれに必要とされることがあります |
ルームシェアの場合、入居者それぞれが支払い能力のある連帯保証人を用意する必要があるとされています。留学生の場合、これは高いハードルです。
連名契約では、全員が契約者になります。つまり一方が退去しても、契約はそのままでは終わりません。残った側が家賃全額を負担するのか、契約を変更するのか、その都度手続きが必要になります。
在籍期間が違う学生同士(4月入学と10月入学など)を同居させると、この問題が必ず生じます。
ルームシェアは、一人暮らしと比べて入居審査が厳しいとされています。
・関係が解消されるリスク/友人関係が続く保証はありません。一方が出ていくと支払いが滞る可能性があります
・入居者全員の審査/誰か1人でも通らなければ成立しません
・生活音の増加/人数が増えれば、音や来客も増えます
留学生2人での申し込みとなると、両名とも収入がなく、日本国内に保証人もいないという状態になります。審査の難易度は相当に上がります。
これは実務で最も注意すべき点です。
契約書に記載された人数を超えて住むことは、契約違反です。「1人分の家賃で2人住めば安い」という発想で無断入居させると、次のような結果になります。
| 起きること | 影響 |
|---|---|
| 契約解除を求められる | 退去することになります |
| 違約金を請求される | 契約内容によります |
| 今後その物件を使えなくなる | 学校にとっては、確保していた戸数を失います |
| オーナーとの関係が悪化する | 他の物件の紹介も難しくなります |
学校が把握していなかった、では済みません。学校名義の契約であれば、責任は学校にあります。
入居時の説明で、「契約に書かれた人数を超えて住めない」ことを必ず伝えてください。友人を長期間泊めることも同様です。
シェア可能な物件の有無も含めてお調べできます
「学校が法人契約すれば、何人住ませても自由」——これも誤解です。
また、学校名義で借りた部屋に学生を住まわせる行為は、条件によっては転貸にあたります。この点は別の記事で扱っています。
ただし、法人契約には利点もあります。入居者の人数と入れ替えについて、契約時にオーナーと取り決めておけることです。
| 取り決めておくこと |
|---|
| 入居できる人数の上限 |
| 入居者が変わるときの通知方法 |
| 複数名で使用する場合の条件 |
| 家賃・光熱費の負担方法 |
最初の契約でここを詰めておけば、後の運用が楽になります。個別に承諾を取り直す運用にすると、入学期のたびに手続きが発生します。
契約上の問題をクリアしても、生活面の課題は残ります。
| トラブル | 予防策 |
|---|---|
| 光熱費の分担でもめる | 負担割合を事前に決める。学校が定額で徴収する方法もあります |
| 生活時間帯の違い | アルバイトの有無で生活リズムが変わります |
| 掃除・片付けの分担 | ルールを文書にしておく |
| 一方が退去した後 | 残った側の負担、次の入居者をどうするか |
| 友人の出入り | 共用部分がある分、影響が大きくなります |
| 同国籍でない場合の言語 | 共通言語がないと、話し合いができません |
最後の項目は見落とされがちです。「外国籍同士なら通じるだろう」という前提は成り立ちません。組み合わせを決める際は、共通して話せる言語があるかを確認してください。
費用面の利点は確かにあります。進める場合の手順です。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 物件がルームシェア可かを確認する(「二人入居可」では足りません) |
| 2 | 契約の形を確認する(連名か、代表者1名か) |
| 3 | 入居者全員の審査が通るかを確認する |
| 4 | 在籍期間が同じ学生同士を組み合わせる |
| 5 | 費用の分担ルールを文書にする |
| 6 | 一方が退去した場合の扱いを決めておく |
| 7 | 入居時に生活ルールを説明する |
4番が実務的な工夫です。同じ入学期の学生同士であれば、卒業も同時期になります。在籍期間がずれると、途中で片方だけが退去する事態になります。
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この記事のまとめ
「二人入居可」と「ルームシェア可」は別の条件です。二人入居可は家族・親族を想定していることがほとんどで、友人同士の同居は認められない物件が多くあります。
ルームシェア可の物件では、入居者全員を契約者とする連名契約が主流です。各入居者に連帯保証人が求められることもあり、留学生にとってはハードルが高くなります。
審査も厳しくなります。家賃が高額になりやすいこと、関係が解消される可能性、入居者全員が審査対象になることが理由です。
無断で人数を増やすことは契約違反です。解除を求められ、その物件を今後使えなくなります。学校名義であれば責任は学校にあります。
法人契約の場合は、契約時に人数の上限と入れ替えの方法を取り決めておくと運用が楽になります。
進める場合は、在籍期間が同じ学生同士を組み合わせ、費用分担と退去時の扱いを文書にしておいてください。共通して話せる言語があるかも確認してください。
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