留学生の入居審査でつまずく理由は、ほぼ決まっています。収入がない、日本国内に保証人がいない、緊急連絡先を立てられない。この3つです。
ただし、いずれも回避する方法があります。とくに緊急連絡先については、学校が引き受けられる場合があります。大学の留学生支援でも同様の運用が行われています。
この記事では、保証会社が何を見ているのかを整理したうえで、学校としてどこまで関われるのかをご説明します。
この記事でわかること
- 保証会社が見ている2つのこと
- 留学生特有の3つの壁
- 学校は緊急連絡先になれるか
- 経費支弁者の情報が効きます
- 来日前でも審査できる場合があります
- 必要書類のチェックリスト
- 審査に落ちたときの対応
- よくあるご質問
保証会社の関心は、突き詰めると次の2点です。
② 何かあったとき連絡が取れるか/本人と、本人につながらないときの連絡先
日本人の学生であれば、保護者に収入があり、日本国内に住んでいるため、この2点は自然に満たされます。留学生の場合、両方が成り立ちにくいという構造があります。
| 壁 | 内容 |
|---|---|
| ① 本人に収入がない | 留学の在留資格は就労が前提ではありません。資格外活動許可を得ても週28時間以内で、家賃を賄う水準にはなりにくいのが実情です |
| ② 日本国内に保証人がいない | 親族は海外におり、日本の法律や契約に精通していない可能性が高く、請求や催促への対応も困難とされるため、認められないことが多くあります |
| ③ 緊急連絡先が立てられない | 来日直後は、日本国内に連絡が取れる知人がいません |
①については、本人の収入で審査を通そうとしないことが前提になります。学費と生活費を誰が負担しているのかを示すほうが、実務的です。
②と③は混同されがちですが、別のものです。連帯保証人は債務を負う立場、緊急連絡先は連絡がつく先という違いがあります。
結論から申し上げると、なれる場合があります。実際にそうした運用は行われています。
賃貸実務の解説でも、留学生については学校の教務課や学生課、担任に相談することがすすめられており、緊急連絡先になってくれることがあるとされています。日本語でやり取りができ、普段連絡が取り合える相手であることが要件になります。
京都大学の留学生向けの案内では、保証制度の利用にあたり「緊急連絡先(保証人ではありません)として、日本国内に居住の日本語が話せる人が必要」とされています。
東京大学でも、大学が所定の欄に記入する形式の入居保証書が用意されています。
日本語学校でも、同様の体制を整えることは可能です。
ただし、引き受ける前に整理しておくべき点があります。
| 決めておくこと | 理由 |
|---|---|
| 誰が担当するか | 個人名ではなく、部署として受けるほうが継続性があります |
| 対応する時間帯 | 夜間や休日の連絡をどうするか |
| どこまで対応するか | 連絡の取次までか、現地に行くところまでか |
| 卒業・退学後の扱い | 在籍しなくなった後も連絡先のままでは問題が生じます |
| 連帯保証は引き受けるか | 緊急連絡先と連帯保証は別です。債務を負うかどうかを明確にしてください |
最後の行を曖昧にしないでください。緊急連絡先を引き受けるつもりで、実際には連帯保証人の欄に署名していた、という事態は避ける必要があります。書面の名目を必ず確認してください。
本人に収入がない以上、誰が学費と生活費を負担しているのかを示すことが審査の材料になります。
在留資格認定証明書の交付申請では、学費・生活費の支弁計画が審査されています。その際に用意した資料が、そのまま賃貸の審査でも使えることがあります。
・送金の予定と方法
・預金残高証明書
・奨学金を受給する場合は、その決定通知
ただし、これらは学生本人の個人情報です。学校が保証会社へ提供する場合は、本人の同意を得てください。
通常の入居審査では在留カードが求められますが、これは来日後でないと交付されません。
ところが、在留資格認定証明書の写しで審査を進められる運用があります。京都大学の案内では、来日前の方については在留資格認定証明書の写しで申し込み、契約時に在留カードを提出する形が示されています。
| 段階 | 提出するもの |
|---|---|
| 審査の申込 | 在留資格認定証明書の写し(来日前の場合) |
| 契約時 | 在留カード(表・裏の両面) |
また、一部の家賃債務保証会社は来日前の段階で保証審査の申込を受け付けています。物件ごとに使える保証会社は決まっていますので、対応可能な物件から探す必要がありますが、スケジュールに余裕を作れます。
入国前審査に対応する保証会社の選定もご相談いただけます
| 区分 | 書類 | 備考 |
|---|---|---|
| 本人確認 | 在留カード(表・裏の両面) | 来日後。裏面には住居地と資格外活動許可の記載があります |
| パスポート | 氏名・顔写真・有効期限のページ | |
| 在籍 | 入学許可書または合格通知 | 来日前の段階で使えます |
| 在学証明書・学生証 | 在籍後 | |
| 費用の負担 | 経費支弁者に関する資料 | 認定証明書の申請時に用意したものが流用できることがあります |
| 奨学金の決定通知 | 受給する場合 | |
| 連絡先 | 日本国内の緊急連絡先 | 学校が引き受けられる場合があります |
| その他 | 住民票 | 来日後、市区町村での手続き後に発行されます |
在留カード、パスポート、入学許可書でローマ字とカタカナの表記が混ざっていたり、ミドルネームの扱いが違っていたりすると、同一人物と確認できず照会が入ります。
申込書に書く氏名は、在留カード(来日前はパスポート)の表記に統一してください。戸数がまとまる時期には、この確認だけで日数を失うことがあります。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 別の保証会社を使う物件を探す | 保証会社は物件ごとに指定されています。会社が変われば結果が変わることがあります |
| 書類の不足を確認する | 経費支弁者の資料、緊急連絡先がそろっていたか |
| 緊急連絡先を見直す | 連絡がつかない相手だと、確認が取れずに落ちます |
| 家賃を下げる | 支弁能力とのバランスが問題であれば、条件を見直します |
落ちた理由は、通常は教えてもらえません。各社の方針によるもので、留学生だからということではありません。
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この記事のまとめ
保証会社が見ているのは、家賃を払い続けられるかと、連絡が取れるかの2点です。留学生の場合、本人に収入がなく、日本国内に保証人も緊急連絡先もいないという構造があります。
学校が緊急連絡先を引き受けられる場合があります。大学では制度化されている例もあり、日本語学校でも同様の体制を整えることは可能です。
ただし、担当部署、対応時間帯、卒業後の扱い、そして連帯保証を引き受けるかどうかを明確にしてください。緊急連絡先と連帯保証人は別のものです。
本人の収入で審査を通そうとせず、経費支弁者の情報を示すほうが実務的です。認定証明書の申請時に用意した資料が流用できることがあります。
来日前でも、在留資格認定証明書の写しで審査を進められる運用があります。入国前審査に対応する保証会社もあります。
落ちても諦めないでください。保証会社は物件ごとに違うため、別の物件であれば結果が変わることがあります。
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