日本で部屋を探すとき、宗教や食習慣のことをどう伝えればいいか、迷う方は多いと思います。
結論からお伝えすると、宗教を理由に断られることは、あってはならないことです。ただ、部屋を選ぶ段階で確認しておくと、住んでから困らずに済むことがいくつかあります。
この記事は、ムスリム(イスラム教徒)の方をはじめ、食事や生活の習慣に配慮が必要な方に向けて、物件を選ぶときの確認点と、入居後の暮らし方を整理したものです。
この記事でわかること
- 宗教を理由に断られたときは
- 物件選びで確認しておくこと
- お祈りのスペースをどう確保するか
- 料理のにおいについて
- ラマダン期間の暮らし
- 近所の人との関係
- 周辺環境の調べ方
- よくあるご質問
まず、押さえておいていただきたいことがあります。
宗教や国籍だけを理由に入居を断ることは、合理的な理由とは認められません。裁判所も、国籍だけを理由とする入居拒否について、社会的に許容される限度を超える違法なものと判断した事例があります。
断られた物件で交渉を続けても、住む場所は決まりません。外国籍の方の入居実績がある不動産会社に相談するほうが、結果的に早く見つかります。
入居拒否については別の記事で詳しくご説明していますので、あわせてご覧ください。
実際のところ、宗教そのものが問題になることは多くありません。オーナー側の不安は「何かあったとき連絡が取れるか」に集中しています。そこが解消されれば、話は進みます。
住んでから困らないために、内見のときに見ておくとよい点です。
| 確認すること | なぜ |
|---|---|
| 換気扇の位置と性能 | スパイスを使う料理はにおいが強くなります。換気ができれば問題は小さくなります |
| キッチンの広さ・コンロの数 | 自炊が多い場合、1口コンロでは不便です |
| 部屋の向き | お祈りをする方は、方角が分かると場所を決めやすくなります |
| お風呂・シャワーの設備 | 1日に複数回身を清める習慣がある場合、水道代とガス代に影響します |
| 収納スペース | まとめ買いをする場合、保存する場所が必要です |
| ハラール食材店やモスクまでの距離 | 後述します |
換気扇は特に重要です。後述しますが、料理のにおいは近隣トラブルの原因になりやすい一方、換気の工夫で大きく減らせます。
1日に数回のお祈りをする方の場合、部屋の中にスペースが必要になります。
・方角はスマートフォンのアプリで確認できます/内見のときに調べておくと、家具の配置を決めやすくなります
・家具の配置で対応できます/改装は不要です。賃貸で壁や床に手を加えることはできませんが、その必要もありません
・大家さんに伝える必要は必ずしもありません/部屋の使い方の範囲であり、報告義務のある事柄ではありません
ワンルームでも、ベッドの配置を工夫すればスペースは作れます。内見のときに、実際にマットを敷ける場所があるか見ておくと確実です。
正直にお伝えします。においは、外国籍の方の入居で最も相談が多い項目のひとつです。
ただし、これは料理をするなという話ではありません。ご自分の国の料理を作ることは、当然の権利です。問題になるのは、においが部屋の外に広がってしまう場合だけです。
| やること | 効果 |
|---|---|
| 料理中は必ず換気扇を回す | 最も効果的です。使わないとにおいが部屋にこもり、廊下に流れます |
| 窓を開けるより換気扇を使う | 窓を開けると、においが外へ広がります |
| 換気扇のフィルターを掃除する | 目詰まりすると効きが落ちます |
| 調理後もしばらく換気扇を回す | においが残りにくくなります |
| 玄関のドアを開けたままにしない | 共用廊下ににおいが流れます |
換気扇を使うだけで、問題の大半は防げます。逆に、換気扇のない部屋や、性能の低い部屋では苦労することになります。物件選びの段階で確認しておく価値があるのはそのためです。
長期間にわたって強いにおいが壁や天井に染み込むと、退去時の原状回復で費用を請求される場合があります。日常的な換気は、その予防にもなります。
断食月には、日常のリズムが変わります。賃貸で暮らすうえで気をつけたい点があります。
・水の音/深夜のシャワーや洗い物の音は、思った以上に響きます
・人が集まる場合/親しい方と食事をともにする場合、人数と時間帯にご注意ください。集合住宅では苦情の原因になりやすい部分です
・ゴミの量/食事の時間が変わっても、ゴミを出す日と時間は変わりません
ラマダンの実践そのものに問題はありません。音の時間帯にだけ気をつければ、トラブルは避けられます。
日本の集合住宅は、壁が薄いことがあります。多くの国では住宅の防音性能が日本より高いため、音に対する感覚が違って当然です。
日本賃貸住宅管理協会の調査(令和4年)では、入居中に注意された経験のある外国人のうち、半数以上が物音について指摘されたと回答しています。つまり、誰にでも起こりうることです。
・夜10時から朝7時は、日本では静かにする時間帯とされています
・友人を招く場合、人数と時間に配慮してください
・注意されたときは、無視せず返事をしてください。1回で退去になることはありません
・自分が困っている場合も、直接相手の部屋に行かず、管理会社に相談してください
あいさつをしておくと、関係が良くなることがあります。顔を知っている相手には、いきなり苦情を言いにくくなるものです。
物件そのものだけでなく、周りの環境も暮らしやすさを左右します。
| 調べること | 方法 |
|---|---|
| ハラール food が買える店 | 地図アプリで検索できます。名古屋市内には食材店があります |
| モスク・礼拝所 | 愛知県内にもあります。通える距離かどうか確認してください |
| 同じ国の方が多い地域 | 情報交換ができ、生活の助けになります |
| 大きめのスーパー | 輸入食材を扱う店舗があります |
| 職場までの通勤 | 実際の経路と所要時間を確認してください |
ハラール対応の食材店やモスクの場所は、物件を決める前に調べておくことをおすすめします。毎週のことになりますので、遠すぎると負担になります。
不動産のイブキは、外国籍の方の住まい探しを専門的に扱っています。宗教や食習慣に関わるご事情も、遠慮なくお伝えください。物件の条件に反映してお探しします。スペイン語・ポルトガル語での対応が可能です。
この記事のまとめ
宗教や国籍だけを理由に入居を断ることは、合理的な理由とは認められません。ただし争うより、受け入れ実績のある不動産会社に相談するほうが早く決まります。
物件選びでは、換気扇、キッチンの広さ、部屋の向き、収納、そしてハラール食材店やモスクまでの距離を確認してください。
お祈りのスペースは、マットを敷ける広さがあれば足ります。改装は不要で、大家さんへの報告義務もありません。
料理のにおいは、換気扇を使うだけで大半を防げます。窓を開けるより換気扇のほうが有効です。料理をやめる必要はありません。
ラマダン期間は、夜間の調理音や水の音にご注意ください。夜10時から朝7時は静かにする時間帯とされています。
音について注意されたときは、無視せず返事をしてください。1回で退去になることはありません。
お部屋探しは、不動産のイブキへ
外国籍の方の住まい探しを全国で承っています。ご事情に合わせた条件でお探しします。保証人がいなくてもご相談ください。スペイン語・ポルトガル語対応。相談は無料です。
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