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2026.06.02

高齢者が生活保護を申請するときの注意点——年金との調整・介護保険・認知症の場合の手続きを名古屋市で解説

「年金をもらっているが生活が苦しい。高齢者でも生活保護を申請できる?

「親が80代で一人暮らし、年金だけでは足りていない。子どもが代わりに申請できる?

「認知症があって本人が手続きできない。どうすれば申請できる?

高齢者の生活保護申請は、現役世代の申請とは異なる注意点がいくつかあります。年金収入との調整・介護保険との関係・認知症がある場合の手続き方法——これらを正しく理解した上で申請することで、スムーズに受給につながります。

この記事では高齢者(65歳以上)が生活保護を申請する際の特有の注意点を名古屋市の実務に基づいて整理します。

📋 この記事の内容

  1. 高齢者の生活保護申請——年金があっても申請できる
  2. 年金と生活保護の計算の仕組み
  3. 介護保険と生活保護の関係
  4. 認知症・判断力低下がある場合の申請方法
  5. 高齢者向けに加算される扶助
  6. 子ども・家族が代わりに申請する方法
  7. よくある疑問Q&A
01高齢者の生活保護申請——年金があっても申請できる

「年金をもらっているから生活保護は申請できない」は誤解です。年金収入があっても、その金額が最低生活費を下回っていれば生活保護を申請できます。年金は「収入」として認定され、最低生活費との差額が保護費として支給されます。

名古屋市内で65歳以上の単身高齢者の最低生活費は生活扶助・住宅扶助・各種加算を合わせると月110,000〜130,000円程度が目安です。年金が月60,000円であれば、差額の50,000〜70,000円程度が保護費として支給されます。

💡 「年金が少しあるから申請しにくい」という遠慮は不要です。国民年金の満額(月約67,000円・2025年度)でも最低生活費を大幅に下回るため、多くの高齢者が生活保護の対象になります。まず区役所の福祉課に相談してください。
02年金と生活保護の計算の仕組み

高齢者が生活保護を受ける場合の計算は以下の通りです。

項目 内容(名古屋市内・65歳以上単身の目安)
生活扶助 約67,000〜73,000円(年齢・世帯状況による)
住宅扶助 上限37,000円(実際の家賃相当)
障害者加算(該当する場合) 月17,870〜26,810円
最低生活費の合計 約104,000〜137,000円(状況により異なる)
年金収入(例:国民年金満額) 約67,000円
保護費(差額) 約37,000〜70,000円が毎月支給される

年金以外に収入(アルバイト・家賃収入等)がある場合はその金額も収入認定されます。資産(預貯金・不動産)についても審査の対象になりますが、居住用の自宅は原則として保有が認められます。

03介護保険と生活保護の関係

65歳以上は介護保険の第1号被保険者として、要介護認定を受ければ介護サービスを使えます。生活保護受給中の高齢者の介護費用は「介護扶助」として生活保護でカバーされます。

介護保険サービスの自己負担(通常1割)は介護扶助で支払われるため、実質的に自己負担ゼロで介護サービスを受けられます。介護保険料は生活扶助の中から支払いますが、低所得者向けの保険料軽減が適用されます。

⚠️ まだ要介護認定を受けていない場合は、生活保護申請と並行して要介護認定の申請もしてください。認定を受けることで介護サービスの利用が可能になり、在宅での生活継続をサポートする支援が増えます。区役所の介護保険課または地域包括支援センターへ相談してください。

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04認知症・判断力低下がある場合の申請方法

認知症や判断力の低下がある高齢者の場合、本人が一人で窓口に行って申請することが難しいことがあります。しかし申請できる人は本人だけではありません。

家族(子ども・兄弟姉妹等)が「扶養義務者」として申請できます。同居していない遠方の子どもでも申請の手続きができます。近くに家族がいない場合は、地域包括支援センターの担当者・民生委員・社会福祉士が申請を支援してくれることがあります。

認知症が進んでいる場合は成年後見制度の活用も検討してください。後見人が選任されれば、後見人が本人に代わって生活保護の申請・手続き・保護費の管理をすべて担えます。後見人選任には数ヶ月かかるため、申請を急ぐ場合は先に家族が申請し、後見申立てを並行して進める方が現実的です。

05高齢者向けに加算される扶助

高齢者の生活保護では、一般の生活扶助に加えていくつかの加算が適用されることがあります。

加算の種類 対象・金額目安
障害者加算 身体障害者手帳1・2級または精神障害者保健福祉手帳1・2級を持つ方。月17,870〜26,810円が上乗せ
介護施設入所者加算 特別養護老人ホーム等の介護施設に入所している場合。施設への移行を支援する加算
在宅患者加算 在宅で療養している方。月13,270円が上乗せ
放射線障害者加算 被爆者の方。月43,910〜87,830円

これらの加算は自動的に適用されるわけではなく、申請が必要です。「自分に当てはまる加算があるかどうか」をケースワーカーへ確認してください。

06子ども・家族が代わりに申請する方法

離れて暮らす親の代わりに申請する場合の手順を整理します。

まず親が住んでいる市区町村の区役所の福祉課に電話し「離れて暮らす親の生活保護申請について相談したい」と伝えてください。遠方であっても電話での事前相談は可能です。窓口から「必要な書類と手順」を案内してもらえます。

申請書の提出は親の住所の区役所で行う必要がありますが、子どもが代理で提出することができます。親が自分で記名・押印できない場合は、代理申請の方法をケースワーカーへ相談してください。認知症等で意思確認が難しい状況は正直に伝えることで、適切な対応方法を案内してもらえます。

遠方にいて何度も足を運べない場合は、親が住む地域の地域包括支援センター・社会福祉士・NPOへ「申請を手伝ってほしい」と依頼することで、現地でサポートしてもらえます。

07よくある疑問Q&A
Q. 親の年金が月7万円ある。生活保護の対象になる?
対象になる可能性が高いです。名古屋市内で65歳以上・単身の場合、最低生活費は月110,000〜130,000円程度です。月7万円の年金では差額の40,000〜60,000円程度が保護費として支給されます。家賃・医療費の状況によって変わるため、まず区役所の福祉課に相談してください。
Q. 親が特別養護老人ホームに入所している。生活保護を申請できる?
できます。施設に入所中でも生活保護は申請できます。施設の住所を「現在地」として、施設が所在する市区町村の福祉事務所に申請します。施設の相談員(ケアマネジャー・生活相談員)が申請サポートを行ってくれることが多いです。まず施設のスタッフに「生活保護の申請を考えている」と相談することから始めてください。
Q. 扶養照会で子どもに連絡が行くのが心配。申請をためらっている。
扶養照会は申請後の手続きであり、申請を妨げるものではありません。また高齢の親を持つ子どもが「仕送りできない」「音信不通だった」という場合は、扶養照会が省略・簡略化されることがあります。「子どもとは長年連絡を取っていない」「子どもに経済的な余裕がない」という事情があれば、申請時にケースワーカーへ伝えてください。扶養照会の扱いについて相談できます。

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📌 まとめ

年金があっても最低生活費を下回っていれば高齢者でも生活保護を申請できます。国民年金の満額(月約67,000円)でも多くの場合申請対象になります。年金は収入として認定され、最低生活費との差額が保護費として支給されます。介護保険サービスの自己負担は介護扶助でカバーされます。認知症・判断力低下がある場合は家族・地域包括支援センター・成年後見人が代わりに申請できます。障害者加算・在宅患者加算等の上乗せ扶助は申請が必要です。名古屋市では各区役所の福祉課が窓口です。

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