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2026.05.02

生活保護の不服申立て(審査請求)——申請を却下・廃止されたらどうする?60日以内に手続きする方法を解説

「生活保護の申請を却下された。納得できない。どうすればいい?

「不服申立て(審査請求)という制度があると聞いた。期限はいつまで?どこに出す?

「審査請求をすると報復されたり不利になったりしない?

生活保護の申請を却下された・保護が廃止・減額された場合、行政不服申立制度(審査請求)を使って処分を争う権利があります。しかしこの制度を知らずに「諦めてしまう」方が非常に多いのが現状です。

この記事では、審査請求の仕組み・期限・手続きの方法・使えるサポート資源を、実務的にわかりやすく解説します。

⚠️ 審査請求には「処分を知った日の翌日から60日以内」という期限があります。期限を過ぎると原則として審査請求ができなくなります。却下・廃止の通知を受け取ったら、まずこのページを最後まで読んでください。

📋 この記事でわかること

  1. 審査請求とは何か——どんな処分に使えるか
  2. 絶対に守るべき期限——60日以内に何をするか
  3. 審査請求の相手先——都道府県知事への申立て
  4. 審査請求書の書き方と提出先
  5. 審査請求後の流れ——裁決までどのくらいかかるか
  6. 審査請求と並行して再申請はできるか
  7. 一人でできない場合の支援者・相談先
01審査請求とは何か——どんな処分に使えるか

審査請求(不服申立て)は行政不服申立法・生活保護法第64条に基づく制度です。福祉事務所(区役所)の行った処分に不服がある場合、都道府県知事に対して処分の取消・変更を求めることができます。

審査請求を使える処分の例 内容
申請の却下 生活保護の申請をしたが「収入がある」「資産がある」等の理由で却下された
保護の廃止 受給していた生活保護が打ち切られた
保護費の減額 支給されていた保護費が一方的に減額された
転居の不承認 転居を申し出たが認められなかった
就労指導の処分 就労指導に従わないことを理由に保護を変更・停止された
審査請求は「処分に対して公式に異議を申し立てる権利」です。福祉事務所の職員に個人的に抗議することとは異なり、法律に基づいた正式な手続きです。行使しても「報復」を受けることは法律上許されていません。
02絶対に守るべき期限——60日以内に何をするか
⚠️ 審査請求の期限は「処分があったことを知った日の翌日から起算して3ヶ月以内(行政不服申立法)」ですが、生活保護法では「60日以内」が実務上の目安として機能しています。いずれにせよ、通知書を受け取ったらできるだけ早く行動を開始してください。
タイミング やること
通知書を受け取ったらすぐ(1〜3日以内) 通知書の内容・処分理由を確認する。不服の理由を整理し始める。支援者・弁護士・法テラスへの相談を開始する
1〜2週間以内 審査請求書の草案を作成する。支援者とともに内容を確認・修正する
60日以内(できれば30日以内) 審査請求書を提出する(都道府県知事あて・福祉事務所経由も可)
「60日ある」と思って先延ばしにすることは禁物です。書類作成・支援者への相談・証拠収集に時間がかかります。通知書を受け取った翌日から動き始めることを強くおすすめします。

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03審査請求の相手先と提出方法
項目 内容
審査請求先(審査庁) 都道府県知事(愛知県の場合は愛知県知事)
書類の提出先 ①直接:都道府県の担当窓口(愛知県の場合は愛知県健康福祉部)②間接:処分を行った福祉事務所(区役所の福祉課)経由でも提出可能
提出方法 ①窓口持参②郵送(特定記録郵便・書留を推奨。提出日の記録を残す)
書面か口頭か 書面(審査請求書)が原則。口頭でも申立て可能だが書面の方が記録が残り確実
愛知県の場合、審査請求先は愛知県知事です。書類は処分を行った名古屋市各区の福祉課に提出しても、都道府県へ送付されます。「どこに出せばいいかわからない」場合は、処分を行った区役所の福祉課に「審査請求書を提出したい」と伝えれば案内してもらえます。
04審査請求書の書き方——最低限書くべき内容

審査請求書に決まった書式はありません。以下の内容が含まれていれば有効です。

📋 審査請求書に書くべき内容

審査請求人の氏名・住所・連絡先——本人または代理人(弁護士等)の情報
処分庁の名称——「名古屋市○○区福祉事務所長」等、処分を行った機関
処分の内容と処分があったことを知った日——「○年○月○日付の生活保護申請却下処分を○年○月○日に受け取った」
審査請求の趣旨——「上記処分を取り消すことを求める」等
審査請求の理由——なぜ処分が不当だと考えるかを具体的に記載する(最重要)
年月日と署名・押印

📝 審査請求書の記載例(理由の部分)

「私は○年○月○日、名古屋市○○区福祉事務所に生活保護の申請を行いましたが、○年○月○日付で却下の処分を受けました。

却下の理由として「収入が最低生活費を上回る」との説明がありましたが、処分通知書に記載された収入認定額の計算に誤りがあると考えます。具体的には、私の月収○万円には交通費○万円が含まれており、これは実費弁償であるため収入として認定されるべきではありません。

以上の理由から、本件却下処分は違法・不当であり、取り消しを求めます。」

💡 「理由」は具体的であるほど有効です。「納得できない」だけでなく「○○という根拠に基づいて処分が誤りだと考える」という形で書くことが重要です。理由の整理が難しい場合は弁護士・司法書士・NPOに相談してください。
05審査請求後の流れ

審査請求書を提出する

都道府県知事宛てに提出(または福祉事務所経由)。郵送の場合は特定記録郵便・書留で提出日の記録を残す。

⚠️ 60日以内に必ず提出すること

都道府県が審査を開始する

処分庁(福祉事務所)から弁明書・関係書類の提出を求める。審査請求人は弁明書への反論(反論書)を提出する機会がある。

✅ 反論書では追加の証拠・理由を補足できる

口頭意見陳述(希望する場合)

審査請求人は口頭で意見を述べる機会を求めることができる。書面だけでは伝わりにくい場合に有効。

裁決が下される

「認容(申立て認める)」「棄却(申立て認めない)」「却下(審査請求自体を受け付けない)」のいずれかの裁決が書面で届く。裁決までの期間は通常3ヶ月〜1年程度。

棄却された場合——取消訴訟へ

裁決でも認められない場合は、裁決を知った日から6ヶ月以内に行政訴訟(取消訴訟)を提起できる。この段階では弁護士への依頼が実質的に必須。

⚠️ 審査請求中も生活は続きます。審査請求の結果が出るまでの間に生活費が底をついてしまう可能性があります。審査請求と並行して、生活困窮者支援窓口・フードバンク・緊急小口資金(社会福祉協議会)等の支援を活用してください。
06審査請求と並行して再申請はできるか

結論から言えば、審査請求をしながら同時に再申請することも可能です。これらは別の手続きであり、どちらか一方しか選べないというルールはありません。

手続き メリット デメリット・注意点
審査請求のみ 元の処分を争い、遡及して保護費が支給される可能性がある 裁決まで3ヶ月〜1年かかる。その間の生活費が問題になる
再申請のみ 新たな申請として審査が始まるため早期解決の可能性がある 同じ理由で却下される可能性がある。前回の却下処分を争えない
審査請求+再申請(両方) どちらかで認められる可能性が高まる。再申請で通れば審査請求を取り下げることもできる 手続きが複雑になる。支援者のサポートが望ましい
実務的には「審査請求をしながら再申請も行う」という対応が最も安全です。再申請が通れば生活費の問題が解決し、審査請求の裁決を待つ余裕が生まれます。
07一人では難しい——支援者・相談先の活用

審査請求書の作成・理由の整理・裁決後の対応は、一人で進めるには難しい面があります。以下の支援者・相談先を活用してください。

相談先 連絡先・特徴
法テラス(日本司法支援センター) 0570-078374。収入が少ない方は無料法律相談・弁護士費用の立替制度あり。生活保護の審査請求に対応した弁護士を紹介してもらえる
弁護士・司法書士 審査請求書の作成・代理人としての申立てが可能。費用は法テラスの立替制度を活用できる
生活保護問題対策全国会議 全国の生活保護支援NPO・弁護士とのネットワーク。相談窓口の案内をしてもらえる
地域のNPO・社会福祉士 「生活困窮者支援」「生活保護申請サポート」を行うNPOが全国各地にある。申請の同行・書類作成支援を行ってもらえる
愛知県弁護士会(愛知県内の場合) 052-203-4200。法律相談の案内。生活保護に詳しい弁護士を紹介してもらえる
「お金がないから弁護士に頼めない」という心配は法テラスで解決できます。法テラスの立替制度を使えば、収入が少ない方でも弁護士・司法書士への依頼費用を後払い(または免除)にできます。まず法テラスに電話してください。
08よくある疑問Q&A
Q. 審査請求をすると、担当ケースワーカーや区役所の対応が悪くなる(報復される)心配はないか?
法律上、審査請求を行ったことを理由に不利益な取り扱いをすることは禁止されています。審査請求は申請者の正当な権利であり、その行使を理由に保護を打ち切ったり対応を悪くしたりすることは違法です。万が一そのような対応があった場合は、それ自体が新たな不服申立ての対象になります。正当な権利として堂々と行使してください。
Q. 60日が過ぎてしまった。もう審査請求はできない?
原則として60日(3ヶ月)を過ぎると審査請求はできません。ただし「正当な理由がある場合」は期限を過ぎても受理されることがあります(天災・入院等でどうしても手続きができなかった等)。期限を過ぎてしまった場合でも、諦める前に法テラス・弁護士に相談してください。また、審査請求の代わりに再申請をすることは期限に関係なくいつでも可能です。
Q. 却下の理由に「就労能力がある」と書かれていたが、実際には傷病で働けない。どう争えばいい?
医師の診断書・意見書が最も強力な証拠になります。「就労不能・療養が必要」という内容の診断書を主治医に発行してもらい、審査請求書の理由欄に添付してください。「行政の判断が誤りである根拠」として医学的な証拠を示すことが審査請求の鍵です。弁護士に依頼する場合も、診断書は最初に準備してください。
Q. 審査請求が棄却された。次はどうすればいい?
裁決(棄却)の通知を受け取った日から6ヶ月以内に行政訴訟(取消訴訟)を裁判所に提起できます。行政訴訟は法律の専門知識が必要なため、弁護士への依頼が実質的に必要です。法テラスの立替制度を活用して弁護士に相談してください。

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📌 まとめ

  • 生活保護の却下・廃止・減額に対して「審査請求(不服申立て)」という正式な手続きで争う権利がある
  • 期限は処分を知った日の翌日から60日以内(実務目安)——通知書を受け取ったらすぐに動く
  • 申立て先は都道府県知事(愛知県なら愛知県知事)——書類は区役所福祉課経由でも提出できる
  • 審査請求書に記載する「理由」は具体的に——「なぜ処分が誤りか」を証拠とともに記載する
  • 審査請求と再申請は同時に行うことができる——どちらかで解決する可能性が高まる
  • 一人で難しい場合は法テラス(0570-078374)・NPO・弁護士・社会福祉士に相談する。費用は法テラスの立替制度で対応可能
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