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2026.04.28

生活保護の葬祭扶助とは?葬儀費用は出る?上限額・対象者・申請手順・家族が亡くなったときの手続きを正直に解説

「生活保護を受けている家族が亡くなった。葬儀費用はどうすればいい?

「葬祭扶助という制度があると聞いた。いくら出る?どこに申請する?

「お金がなくて葬儀ができない。それでも最低限の葬儀はできる?

生活保護には、受給者本人またはその家族が亡くなったときに葬儀費用を支給する「葬祭扶助(そうさいふじょ)」という制度があります。しかしこの制度を知らずに自費で葬儀を済ませてしまったり、申請のタイミングを逃してしまうケースが後を絶ちません。

この記事では、葬祭扶助の対象者・支給額・申請手順・葬儀社との手続きの流れ・よくある誤解を、実務的にわかりやすく解説します。

📋 この記事でわかること

  1. 葬祭扶助とは——どんな制度か
  2. 対象者——誰が申請できるか
  3. 支給される費用の内容と上限額(名古屋市の目安)
  4. 申請のタイミングと手順——絶対に知っておくべき「葬儀前申請」の原則
  5. 葬祭扶助で行える葬儀の内容——一般的な葬儀との違い
  6. 申請に必要な書類
  7. よくある誤解と注意点
01葬祭扶助とは——どんな制度か

葬祭扶助は生活保護法第18条に基づく扶助のひとつです。経済的に困窮しているために葬儀費用を負担できない場合に、福祉事務所(区役所の福祉課)から葬祭費用が支給されます。

葬祭扶助で支給できる費用の範囲は法律で定められており、以下の4つです。

支給対象の費用 内容
①検案 死亡の確認・死亡診断書の作成に関わる費用
②死体の運搬 遺体を搬送するための費用
③火葬または埋葬 火葬場での火葬費用・埋葬費用
④納骨その他葬祭のために必要なもの 骨壺・棺・死亡届等に必要な最小限の費用
⚠️ 葬祭扶助は「最低限の葬儀」を対象とした制度です。宗教的な儀式(読経・戒名)・祭壇・花・式場での通夜・告別式等は原則として対象外です。「一般的な葬儀」より大幅にシンプルな内容になります。
02対象者——誰が申請できるか

✅ 対象①:生活保護受給者本人が亡くなった場合——葬儀を行う人が申請する

生活保護を受給していた方が亡くなった場合、葬儀を行う者(遺族・民生委員・福祉事務所長等)が葬祭扶助を申請できます。

遺族がいない・遺族が費用を負担できない場合は、民生委員や福祉事務所長が葬祭義務者となって申請するケースもあります。

✅ 対象②:生活保護を受給していない人が亡くなったが、葬儀を行う遺族が生活保護受給者・困窮者の場合

亡くなった方が生活保護を受給していなくても、葬儀を行う遺族が生活保護受給者または経済的に困窮している場合も対象になります。

この場合、葬儀を行う遺族が申請者となります。

✅ 対象③:身元不明者・引き取り手のいない遺体

死亡した方の身元が不明または遺族がいない・遺族が不明の場合は、死亡地の市区町村長が葬祭義務者として葬祭扶助を申請できます。

❌ 対象外:亡くなった方に葬儀費用を負担できる遺族がいる場合

遺族に経済的な余裕があり、葬儀費用を負担できると判断される場合は対象外になります。

「受給者が亡くなったから自動的に葬祭扶助が出る」わけではなく、「葬儀を行う者が費用を負担できない」ことが要件です。

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03支給される費用の内容と上限額

葬祭扶助の支給額は厚生労働省の基準額が設定されており、物価・地域等によって異なります。名古屋市(愛知県)での目安は以下の通りです。

💰 名古屋市の葬祭扶助 支給上限額の目安

大人(12歳以上)の場合約206,000円
子ども(12歳未満)の場合約164,800円
支給方法現物給付(葬儀社へ直接支払い)が原則
⚠️ 上記は目安です。実際の支給額は毎年見直しがあり、個別の状況によって異なります。正確な金額は担当のケースワーカーまたは名古屋市各区の福祉課へ確認してください。
費用の種類 葬祭扶助の扱い
火葬費用 ✅ 対象。上限額内で支給
遺体搬送費用 ✅ 対象
棺・骨壺 ✅ 対象(最低限のもの)
死亡診断書の手数料 ✅ 対象
通夜・告別式の式場費用 ❌ 原則対象外
読経・戒名(宗教儀式) ❌ 原則対象外
花・供物・食事 ❌ 対象外
遺影・位牌 ❌ 対象外
墓地・永代供養 ❌ 原則対象外(市区町村の無縁塚等は別途)
葬祭扶助で行われる葬儀は「直葬(ちょくそう)」と呼ばれる最もシンプルな形式です。通夜・告別式を行わず、火葬のみを行う形式です。これで最低限の尊厳ある別れができます。宗教儀式や大規模な式を希望する場合は自費での追加費用が必要になります。
04申請のタイミングと手順——「葬儀前申請」が絶対条件

葬祭扶助で最も重要なルールが「葬儀を行う前に申請する」という点です。葬儀を済ませてから申請しても、原則として葬祭扶助は支給されません。

⚠️ 「葬儀が終わった後で申請する」は原則として認められません。葬儀社に連絡したり、遺体を搬送する前に、まず福祉事務所(区役所の福祉課)へ連絡することが最優先です。

死亡を確認したら、まず福祉事務所(区役所の福祉課)へ連絡する

「○○が亡くなりました。葬祭扶助を申請したいです」と電話または窓口で連絡する。夜間・休日の場合は翌営業日に連絡する。

⚠️ 葬儀社への連絡より先に、まず福祉事務所へ連絡することが原則

ケースワーカーから葬祭扶助の要件確認・承認を受ける

「葬儀を行う者が費用を負担できない」という要件を確認してもらう。承認が出た段階で、葬祭扶助に対応した葬儀社を選ぶことができる。

葬祭扶助に対応した葬儀社を選ぶ

すべての葬儀社が葬祭扶助に対応しているわけではない。「葬祭扶助対応」と明示している葬儀社に連絡する。福祉事務所から紹介してもらえることもある。

葬儀社への依頼時に「葬祭扶助で対応してほしい」と明確に伝える。

葬祭扶助申請書を提出する

福祉事務所(区役所の福祉課)に申請書を提出する。申請者は「葬儀を行う者」(遺族・扶養義務者等)。

葬儀・火葬を行う

葬祭扶助が承認されると、福祉事務所から葬儀社へ直接費用が支払われる(現物給付)。申請者がいったん立て替える必要はない。

生活保護の廃止手続き(受給者本人が亡くなった場合)

受給者本人の死亡は福祉事務所への届出が必要。生活保護は死亡日で廃止となる。

⚠️ 死亡後も保護費を受け取り続けると返還義務が生じる
05申請に必要な書類
書類 内容・注意点
死亡診断書(または死体検案書)のコピー 医師が発行する死亡を証明する書類。原本は死亡届の提出に必要なため、コピーを提出する
葬祭扶助申請書 福祉事務所の窓口で取得。申請者(葬儀を行う者)が記入・署名する
申請者の身分証明書 運転免許証・マイナンバーカード・在留カード等
亡くなった方との関係を証明する書類 戸籍謄本等(遺族の場合)。関係書類がない場合はケースワーカーへ相談
通帳・預金残高証明(求められる場合) 「費用を負担できない」ことを証明するために求められることがある
書類が揃っていない場合でも、まず電話で福祉事務所に連絡してください。「何が必要か・どう進めればいいか」を窓口が案内してくれます。書類の準備と並行して手続きを進めることが多いです。
06よくある誤解と注意点
❌ 「葬儀を終わらせてから申請すればいい」は誤り

繰り返しになりますが、葬祭扶助は葬儀を行う前に申請・承認を得ることが原則です。葬儀後の申請は原則として認められません。「先に葬儀社に連絡して遺体を搬送してしまった」という場合でも、葬儀を行う前に福祉事務所に連絡することが重要です。

❌ 「生活保護受給者なら自動的に葬祭扶助が出る」は誤り

受給者が亡くなっても自動的に支給されるわけではありません。「葬儀を行う者が費用を負担できない」という要件を満たし、申請が承認されることが必要です。遺族に経済的余裕がある場合は支給されないことがあります。

❌ 「上限額が余った場合は現金で受け取れる」は誤り

葬祭扶助は現物給付(葬儀社へ直接支払い)が原則です。上限額内で葬儀費用が収まった場合、差額は申請者には渡されません。

⚠️ 死亡後の保護費の受け取りに注意

受給者本人が亡くなった場合、その月の生活保護費の取り扱いについてケースワーカーへ確認が必要です。死亡後に引き続き保護費を受け取り続けると、返還を求められる場合があります。

07生活保護受給者が亡くなった後の住居(社宅・賃貸)の手続き

葬儀の手続きと並行して、亡くなった方の賃貸物件の解約・残置物の処理も進める必要があります。

手続き タイミング・内容
賃貸物件の解約通知 貸主(管理会社)へ死亡と解約の意向を伝える。通常1ヶ月前通知が必要だが、死亡の場合は柔軟に対応してもらえることが多い
残置物の処理 相続人が引き取る・処分する。相続人がいない場合は遺品整理業者に依頼するか、市区町村に相談する
敷金の精算 敷金があれば国土交通省のガイドラインに基づいた精算が行われる。相続人が受け取る権利がある
生活保護の廃止届 受給者本人の死亡は福祉事務所への届出が必要。死亡日以降の保護費は返還が必要になるため速やかに届け出る
賃貸物件の解約・残置物処理は葬儀の手続きと並行して進める必要があります。一人でやるには負担が大きいため、民生委員・ケースワーカー・社会福祉士等に相談しながら進めることをおすすめします。生活保護を受けながら部屋を探している方の住居に関する相談は不動産のイブキでも受け付けています。
08よくある疑問Q&A
Q. 生活保護を受けていない親が亡くなった。葬儀費用を払えない。葬祭扶助を申請できる?
申請できます。「亡くなった方が生活保護を受けていなかった」場合でも、「葬儀を行う遺族が生活保護受給者または費用を負担できない経済状況にある」場合は葬祭扶助の対象になります。まず居住地の区役所(福祉課)に「葬祭扶助の申請をしたい」と連絡してください。
Q. 遺族がいない(身寄りのない)受給者が亡くなった。誰が葬儀をする?
遺族がいない・見つからない場合は、死亡地の市区町村長(または福祉事務所長)が葬祭義務者となり、葬祭扶助を申請して葬儀を行います。身元不明者・引き取り手のない遺体への対応は市区町村が担います。「誰もいないから葬儀ができない」ということにはなりません。
Q. 葬儀を終えてしまった後で申請した。やはり支給されない?
原則として支給されません。ただし「事前に申請できなかったやむを得ない事情」がある場合は個別に判断されることがあります(深夜の死亡で翌朝すぐ申請した・緊急搬送で物理的に事前申請が困難だった等)。諦める前に担当のケースワーカーに「やむを得ない事情があった」と正直に説明して相談してみてください。
Q. 葬祭扶助で行える葬儀の内容が「火葬のみ」と聞いた。宗教的な儀式は一切できない?
葬祭扶助の対象は法律で定められた最低限の費用(検案・運搬・火葬・納骨)のみです。読経・戒名・通夜・告別式等の宗教的儀式は葬祭扶助の支給対象外です。ただし、葬祭扶助とは別に自費で宗教的儀式を追加することは可能です。費用の許す範囲で遺族の希望に応じた形式を選ぶことができます。

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📌 まとめ

  • 葬祭扶助は「葬儀を行う者が費用を負担できない場合」に支給される——受給者の死亡で自動的に出るわけではない
  • 名古屋市の支給上限の目安は大人206,000円・子ども164,800円(現物給付・葬儀社へ直接支払い)
  • 最重要ルール:「葬儀を行う前に福祉事務所へ連絡・申請する」——葬儀後の申請は原則認められない
  • 対象は火葬・搬送・棺・納骨等の「直葬」レベルの最低限の葬儀——通夜・告別式・読経は対象外
  • 亡くなった方が受給者でなくても、遺族が生活保護受給者・経済的困窮者なら申請できる
  • 葬儀の手続きと並行して賃貸物件の解約・残置物処理・生活保護廃止届の手続きも必要
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