「委託先企業のカンボジア人実習生の住居が宿舎基準を満たしているか確認したい」
「寄宿舎設置届を出し忘れていた——どう対処すればいい?」
「巡回時に何をチェックすれば行政指導を受けずに済む?」
この記事は技能実習の監理団体担当者向けです。カンボジア人技能実習生の住居確保義務の内容・宿舎基準の確認方法・寄宿舎設置届の手順・巡回チェックリスト・よくある行政指導事例と対策を実務的に整理しました。
📋 この記事でわかること
- 監理団体が負う住居確保の義務とその範囲
- 宿舎基準(4.5㎡以上)の確認方法と是正対応
- 寄宿舎設置届——誰が・いつ・どこへ提出するか
- 巡回時の住居チェックリスト(写真記録・保管期間)
- よくある行政指導事例3つとその防止策
- 不動産のイブキとの連携で解決できること
技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)に基づき、監理団体は受入れ企業の技能実習計画が適正に実施されているかを監督する義務を負います。住居に関しては以下の項目が監査の対象になります。
| 義務の内容 | 根拠 | 監理団体の役割 |
|---|---|---|
| 宿舎基準(4.5㎡/人以上)の確認 | 技能実習法・技能実習計画認定基準 | 受入れ企業が用意する住居の面積・設備を事前確認し、計画書に記載する |
| 3ヶ月ごとの巡回(監査) | 技能実習法第32条 | 年4回以上の実地訪問で住居の現状を確認・記録する |
| 寄宿舎設置届の確認 | 労働安全衛生規則第600条 | 複数名が同一物件に居住する場合、受入れ企業が届出を行ったか確認する |
| 家賃控除の適正確認 | 最低賃金法・外国人技能実習機構ガイドライン | 家賃控除額が適正か(手取りの25%以内が目安)・賃金控除協定書があるかを確認する |
| 住所変更・転居の届出確認 | 出入国管理及び難民認定法 | 転居時に実習生の在留カード住所変更・出入国在留管理庁への報告が行われたか確認する |
| 確認項目 | 基準・確認方法 |
|---|---|
| 居室面積 | 4.5㎡以上/人(押入れ・収納は算入不可)。賃貸借契約書の間取り図または登記事項証明書で確認。巡回時は図面と実測の両方でチェック |
| 消防設備 | 自動火災報知設備・消火器の設置を確認。消火器の使用期限(5年)も確認する |
| 採光・換気 | 窓があり換気できること。地下室は原則不可 |
| 男女別居室 | 男女が同一居室に住んでいないか確認。鍵のかかる個室が確保されているか |
| 調理設備・生活設備 | コンロ・冷蔵庫・洗濯機の有無。共用の場合は人数に対して十分な台数があるか |
① 受入れ企業へ是正勧告書(書面)を送付し期限を設定する
② 同一建物内の別室を追加借り上げして1人あたり面積を確保する
③ 別物件への転居——不動産のイブキへ「宿舎基準4.5㎡以上の物件を急いで探したい」と連絡する
④ 是正完了後に外国人技能実習機構へ報告する
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出義務者 | 受入れ企業(使用者)。監理団体は受入れ企業が提出したかを確認する義務がある |
| 提出先 | 所轄の労働基準監督署 |
| 提出タイミング | 設置の7日前まで(労働安全衛生規則第600条)。違反は30万円以下の罰金 |
| 書式 | 様式第20号(厚生労働省ウェブサイトからダウンロード) |
| 添付書類 | ①建物の平面図(各居室の面積・用途が分かるもの) ②消防計画書写し ③消火器・火災報知器の設置位置図 |
| 対象となる物件 | 「普通のアパート・一戸建て」でも複数名の実習生が居住する場合は「寄宿舎」に該当する |
📋 3ヶ月ごとの巡回(監査)時に確認する住居チェック項目
⚠️ 事例①:面積不足(4.5㎡/人未満)による改善勧告
8畳(約13㎡)の部屋に3名を住まわせていた(約4.3㎡/人)。監理団体の巡回で発覚し、外国人技能実習機構から改善勧告。受入れ企業・監理団体ともに業務改善計画書の提出を命じられた。
✅ 防止策:入居前に図面で面積計算を必ず行う
「6畳間(約10㎡)→2名まで(5㎡/人でOK)」「8畳間(約13㎡)→2名まで(6.5㎡/人でOK)、3名はNG(4.3㎡/人)」という具体的な計算を入居前に行う。不動産のイブキは宿舎基準確認済みの物件のみを提案するため、「何名まで入居できるか」を物件提案時に明示します。
⚠️ 事例②:家賃控除が手取りの25%超で不当控除と認定
手取り月収120,000円の実習生から家賃35,000円+光熱費定額8,000円=43,000円(35.8%)を控除していた。「過大徴収」として監理団体・受入れ企業ともに指導を受け、差額を遡って返金した。
✅ 防止策:手取り25%以内に収まるか事前にシミュレーションする
家賃+光熱費の合計が手取りの25%以内に収まるかを毎月確認する。給与が変動する場合(残業代・欠勤控除等)は毎月の手取り額に応じて控除上限を再計算する。詳細設計は顧問社会保険労務士に確認すること。
⚠️ 事例③:寄宿舎設置届の未提出で30万円の罰金
3名の実習生を一戸建てに住まわせていたが「普通の賃貸だから届出不要」と誤解し、寄宿舎設置届を提出していなかった。労働基準監督署の調査で発覚し、受入れ企業に30万円の罰金。監理団体も確認義務違反として業務改善計画書を提出。
✅ 防止策:複数名居住の物件は必ず届出状況を確認する
入居前の書類チェックリストに「寄宿舎設置届の提出確認」を追加する。受入れ企業が届出を行ったかを入居前に確認し、届出書の控えを監理団体でも保管する。不動産のイブキが提供する間取り図・写真を届出書の添付書類として活用できます。
| トラブルの種類 | 発生しやすい原因 | 対応方法 |
|---|---|---|
| ゴミ出し・騒音クレーム | ゴミ分別・静穏時間のルールが伝わっていない。クメール語での説明がない | クメール語のゴミ分別カレンダー・生活ルール書類を入居時に配布・署名取得。巡回時に掲示状況を確認する |
| 無断外泊・転居 | 実習生が「別の友人宅に泊まっている」と申告なく長期不在になるケース | 外泊届ルールを就業規則・生活ルール書類に明記。巡回時に実際の居住状況を確認する。無断転居の場合は在留カード住所変更が遅れる |
| お香・線香の煙による近隣クレーム | 仏教の習慣でお香・線香を室内で使用するため煙・匂いが廊下に漏れる | お香・線香の使用は窓を開けた換気を条件に許可する旨を生活ルール書類に明記。感知器作動防止のため煙の向きに注意するよう説明する |
| 送金詐欺・多重借入 | 来日前に高額な借入をしているケースが多く、SNSを通じた「高収入副業」詐欺の被害に遭いやすい | 入居後の面談で経済状況・借入状況を確認。Telegram・Facebookでの怪しい勧誘に注意するよう伝える。困ったら監理団体に相談するよう周知する |
| 監理団体の課題 | 不動産のイブキの対応 |
|---|---|
| 受入れ企業が「外国籍NG」で物件を確保できない | 法人名義での審査申込み・外国籍対応保証会社使用物件を優先提案。「断られるロスゼロ」で物件確保 |
| 宿舎基準を満たす物件かどうか確認できない | 4.5㎡/人以上(技能実習)・7.5㎡/人以上(特定技能)確認済みの物件のみ提案。間取り図・写真・面積計算を提供 |
| 寄宿舎設置届・技能実習計画の添付書類が揃わない | 居室図面・写真・家賃内訳表を提供。添付書類として活用できる形式で準備 |
| 受入れ企業が来日直前まで物件を確保できていない | 最短5日での物件確保に対応。「来週入国予定で急いでいる」という依頼も受け付ける |
| 複数の受入れ企業・複数エリアの物件を一括で管理したい | 全国対応・一窓口でまとめて管理。企業ごとの書類を分けて提供 |
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📌 まとめ
- 監理団体は宿舎基準確認・3ヶ月ごとの巡回・寄宿舎設置届の確認・家賃控除の適正確認の義務がある
- 宿舎基準は技能実習4.5㎡以上/人・特定技能移行後は7.5㎡以上/人——「普通の部屋だから大丈夫」は危険
- 複数名居住の物件は「寄宿舎設置届」が必須——設置7日前までに労働基準監督署へ提出(未提出は30万円の罰金)
- 行政指導で最も多いのは面積不足・家賃過大控除・寄宿舎設置届未提出の3つ
- 巡回時は写真付き・日付入り・チェックリスト形式で記録を残し5年間保管する
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