「技能実習期間が終了して帰国するスタッフがいる。社宅の退去手続きはどう進める?」
「退去後に大量の荷物が残っていた。残置物の処理費用は誰が負担する?」
「敷金は全額返ってくる?原状回復費用の判断基準がわからない」
特定技能・技能実習スタッフが帰国・退職するとき、多くの担当者が「退去のことまで考えていなかった」と気づきます。入居時の手配に比べて退去は地味ですが、処理を誤ると追加費用・管理会社とのトラブル・次の入居者への迷惑につながります。
この記事では、外国人スタッフが帰国・退職する際の社宅退去手続きを、スケジュール管理・残置物・敷金精算・原状回復の観点で整理します。
📋 この記事の内容
- 退去手続きの全体スケジュール
- 帰国前にスタッフにやらせること・担当者がやること
- 残置物問題——帰国後に荷物が残っていた場合
- 原状回復の基本——負担範囲の判断基準
- 敷金精算の流れと注意点
- 次のスタッフへの引き継ぎ(同一物件を継続利用する場合)
- よくある疑問Q&A
退去手続きは「帰国・退職の1ヶ月以上前」から動き始めることが鉄則です。1ヶ月前通知が間に合わないと、余分な家賃が発生します。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 帰国・退職日の1.5〜2ヶ月前 | 帰国・退職日を確認する。管理会社へ解約予告通知の時期を確認(通常1ヶ月前)。次のスタッフが同じ物件を使う場合は入居日の調整を開始する |
| 帰国・退職日の1ヶ月前 | 管理会社へ解約通知書を提出する。退去日・立会い日程を管理会社と調整する |
| 帰国・退職の2週間前 | スタッフへ「退去日までに荷物をすべて持ち出す」ことを多言語で説明する。大型荷物の処理方法(持ち帰り・廃棄・寄付)を一緒に確認する |
| 退去日当日 | 担当者が立ち会い、室内の状態を管理会社と確認する。鍵を返却する。室内の写真を撮影して保管する |
| 退去後1〜2ヶ月以内 | 敷金精算書を管理会社から受け取る。内容を確認し、必要に応じて交渉する |
スタッフが帰国する前に完了しておかなければならないことを、担当者がリストで案内してください。「なんとなく帰ってしまった」という状況を防ぐことが担当者の役割です。
荷物の整理・処分。帰国する荷物・日本で処分する荷物・人に譲る荷物に分けてもらいます。大型家電(洗濯機・冷蔵庫等)は粗大ゴミとして処分するか、次のスタッフに引き継ぐかを事前に決めておきます。粗大ゴミは名古屋市の場合、有料(品目によって異なる)で収集日の事前申込が必要です。帰国直前になって大量の粗大ゴミが出ると担当者が処理する羽目になります。
ライフライン・各種契約の解約。電気・ガス・水道は退去日に合わせて解約または名義変更の連絡が必要です。スマートフォンのSIMカード契約も退去前に解約または一時停止の手続きをするよう案内してください。銀行口座の扱いについても、残高の引き出しと帰国後の処理を事前に確認します。
転出届の提出。帰国の場合は役所で「転出届(国外転出)」を提出する必要があります。担当者が一緒に役所に行くか、手続きの手順を書いたメモを渡してください。転出届を出さずに帰国すると、住民税の未払い問題が後から発生することがあります。
外国人スタッフの社宅退去で最も多いトラブルのひとつが「帰国後に大量の荷物が残っていた」という状況です。法律上、室内に残された荷物は「残置物」として扱われ、勝手に処分することはできません。
残置物を処分するには、原則として本人(または相続人)の同意が必要です。連絡が取れない場合は法的手続き(明渡し訴訟等)が必要になりますが、現実的には費用・時間がかかりすぎます。
この問題を防ぐ最善策は「帰国前に担当者立会いで荷物の処分を完了させること」です。退去立会い当日に室内が空であることを確認してから鍵を受け取ることが鉄則です。
就業規則・社宅規程に「退去日までに室内の荷物をすべて持ち出す義務・残置物が生じた場合の処理費用はスタッフ負担とする」と明記しておくことで、事前の説明と後日の費用回収の根拠になります。
退去時に問題になるのが「原状回復費用をどこまでスタッフ(または会社)が負担するか」という問題です。国土交通省のガイドラインでは、原状回復費用の負担について以下の原則が定められています。
貸主(大家・管理会社)が負担するもの。経年劣化(時間の経過によって自然に発生する傷み)・通常損耗(普通の生活を送る上でつく汚れ・傷)は貸主の負担です。具体的には、日焼けによるフローリングの変色・画鋲程度の小さな穴・エアコン等設備の故障(消耗品を除く)等は原則として借主の負担にはなりません。
借主(スタッフ・会社)が負担するもの。借主の故意・過失・注意義務違反によって生じた損傷は借主負担です。具体的には、タバコのヤニや焦げ跡・ペットによる傷・落書き・大きな穴・水回りのカビ(換気不十分による)等です。
退去後、管理会社から敷金精算書(または退去費用明細)が届きます。敷金から原状回復費用が差し引かれ、残額が返還されます。差し引きがマイナス(原状回復費用が敷金を超える)の場合は追加請求になります。
精算書を受け取ったら、まず請求内容が「通常損耗の範囲内」かどうかを確認してください。国土交通省のガイドラインに照らして不当な請求がある場合は、書面で異議を申し立てることができます。「とりあえず言われた通りに支払う」という対応は避け、請求内容を一項目ずつ確認することが重要です。
法人名義の場合、敷金は会社に返還されます。スタッフの故意・過失による損傷分を就業規則の規定に基づいてスタッフ(または退職後の連絡先)に請求することは可能ですが、帰国後のスタッフへの費用回収は現実的に難しいことが多いです。入居期間中に損傷を発見したら早めに指摘・修繕することが、退去時のトラブルを減らす最善策です。
帰国したスタッフの退去後、同じ物件に次のスタッフを入居させる場合は、退去日と入居日のすり合わせが重要です。退去立会い・クリーニング・管理会社の確認作業に最低でも1〜2週間かかることが多く、退去日のすぐ翌日に新しいスタッフが入居できるわけではありません。
次のスタッフの来日時期が決まっている場合は、退去日・クリーニング期間・入居日をあらかじめ逆算してスケジュールを組んでください。不動産のイブキでは退去後の物件クリーニングの手配についても管理会社への橋渡しを行っています。
同一物件ではなく新しい物件に切り替える場合は、不動産のイブキへ「次のスタッフの来日に向けて物件を探したい」とご連絡ください。前の退去日と次の入居希望日を踏まえた物件提案が可能です。
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📌 まとめ
外国人スタッフの帰国・退職に伴う社宅退去は、帰国日の1.5〜2ヶ月前から動き始めることが鉄則です。解約予告通知・荷物の整理・転出届・ライフライン解約を帰国前に完了させてください。残置物を防ぐには退去立会いで「荷物がゼロの状態」を確認してから鍵を受け取ることが最善策です。敷金精算では国土交通省のガイドラインに基づき、経年劣化・通常損耗は貸主負担・故意過失による損傷は借主負担という原則を踏まえて内容を確認してください。次のスタッフ受け入れに向けた物件手配は不動産のイブキへご相談ください。






