「認知症の親が生活保護を受けていない。本人が手続きできないが申請できる?」
「知的障害がある家族の生活保護を申請したい。代わりに手続きできる?」
「生活保護の申請と成年後見の申立て、どちらを先にすればいい?」
認知症・知的障害・精神障害等で本人が判断・手続きをする能力が低下している場合、生活保護の申請をどう進めればいいか迷う方が多くいます。「本人が窓口に行けないと申請できない」という誤解もありますが、実際には本人以外が申請できるケースや、成年後見制度を活用する方法があります。
この記事では、判断力が低下した方の生活保護申請の方法・成年後見制度との組み合わせ・住まいの確保について名古屋市での実務を踏まえて解説します。
📋 この記事の内容
- 判断力が低下している方でも生活保護は申請できる
- 本人に代わって申請できる人——同居家族・民生委員・支援者
- 成年後見制度とは——法定後見・任意後見の違い
- 生活保護と成年後見の申立て——どちらを先に進めるか
- 後見人が行う生活保護の管理——保護費の管理・代理納付
- 住まいの確保——成年後見人が賃貸契約を代理できるか
- 名古屋市での相談窓口
- よくある疑問Q&A
生活保護法第7条は、保護の申請を「要保護者、その扶養義務者または同居の親族」が行えると定めています。本人の判断能力が低下していても、家族・支援者が代理・代行として申請を進めることができます。また「急迫した状況」にある場合は職権による保護(行政側が申請なしに保護を開始する)も認められています。
「本人が署名できないと申請できない」「本人が窓口に来なければダメ」というのは誤りです。認知症・知的障害等で本人が手続きを理解できない状態であることをケースワーカーへ正直に伝えた上で、申請の方法を相談してください。
判断力が低下した方に代わって生活保護の申請・手続きを進められる人は以下の通りです。
| 申請できる人 | 条件・注意点 |
|---|---|
| 同居の家族・親族 | 「扶養義務者または同居の親族」として申請可能。遠方に住む家族でも相談は可能だが、申請には関与が必要 |
| 民生委員 | 地域の民生委員が申請の仲介をしてくれることがある。「近くに身寄りがなく困っている人がいる」と民生委員に相談することが最初のステップになる場合も |
| 社会福祉士・支援者 | NPO・地域包括支援センターのスタッフ等が同行・代理申請を支援してくれることがある |
| 成年後見人 | 家庭裁判所が選任した後見人は本人の法定代理人として申請・手続きを行うことができる |
成年後見制度は、判断能力が不十分な方の財産管理・契約手続き等を法的に代理・支援する制度です。判断能力の程度によって3つの類型があります。
| 類型 | 対象となる判断能力 | 後見人の権限 |
|---|---|---|
| 後見 | 判断能力が常に欠けている(重度の認知症・重い知的障害等) | 日常生活に関する行為を除くすべての法律行為を代理・取り消せる |
| 保佐 | 判断能力が著しく不十分(中程度の認知症・知的障害等) | 重要な財産行為(不動産の売買・賃貸借等)について同意・取消権を持つ |
| 補助 | 判断能力が不十分(軽度の認知症・知的障害等) | 特定の法律行為について同意・取消権を持つ(本人の同意が前提) |
生活保護の申請・保護費の管理・賃貸借契約の締結等に後見人が関わる場合、後見または保佐の類型が必要になることが多いです。申立ては家庭裁判所(名古屋家庭裁判所)に行います。
実務的な優先順位として、生活保護の申請を先に進め、成年後見の申立てを並行して行うことをおすすめします。
理由は2つあります。まず生活保護の審査は最大30日かかりますが、その間も本人の生活費・医療費が必要です。申請を早くすることで受給開始を早められます。次に成年後見の申立てから後見人選任まで通常2〜4ヶ月かかります。後見人選任を待ってから申請していては、その間の生活が立ち行かなくなります。
後見人が選任された後は、後見人がケースワーカーへの窓口となり、保護費の管理・申告・住居に関する手続きを本人に代わって行うことができます。
成年後見人が選任されると、保護費の受け取り・管理・使途の報告等を後見人が担います。具体的には以下の業務が後見人の役割になります。
毎月の保護費(生活扶助・住宅扶助等)を本人の口座で受け取り、生活費・家賃・医療費等に充てます。就労収入がある場合は毎月の収入申告書を後見人がケースワーカーへ提出します。家賃については代理納付の設定が最も安定した方法です。代理納付にすると福祉事務所から管理会社へ直接振り込まれるため、後見人が家賃管理をする手間が省けます。
後見人は家庭裁判所への年1回の報告義務があり、保護費の使途も含めた財産管理の状況を報告します。
「後見」の類型であれば、後見人は本人を代理して賃貸借契約を締結することができます。管理会社に「成年後見人として契約します」と伝え、後見開始の審判書のコピーを提示することで、本人が契約書に署名できない状態でも賃貸契約が進められます。
ただし管理会社によっては「後見人が締結する賃貸借契約」に慣れていないケースがあり、対応を断られることもあります。外国人の入居対応と同様、事前に確認が必要です。不動産のイブキでは後見人が締結者となる賃貸契約への対応も含めて管理会社との交渉を行います。事前にご相談ください。
住居選びでは本人の状態(認知症の進行度・身体状況)に合わせた物件を選ぶことが重要です。バリアフリー・エレベーター有・医療機関へのアクセス等の条件を伝えていただければ、それに合わせた候補を提案します。
| 相談先 | 内容 | 連絡先 |
|---|---|---|
| 地域包括支援センター(名古屋市) | 高齢者の成年後見相談・生活保護への橋渡し。各区にある | 名古屋市ウェブサイトで最寄りを検索 |
| 名古屋市社会福祉協議会 成年後見センター | 成年後見の申立て相談・法人後見の受任 | 052-261-3719 |
| 名古屋家庭裁判所 | 成年後見の申立て窓口 | 052-203-1325 |
| 法テラス(愛知) | 成年後見申立ての法律相談・費用の立替制度 | 0570-078374 |
| 各区役所 福祉課 | 生活保護の申請・急迫保護の相談 | 各区役所の代表番号 |
| 不動産のイブキ | 生活保護決定後・後見人選任後の住まい探し | 0120-337-900 |
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不動産のイブキ|名古屋市西区庄内通3丁目9-4 国土交通大臣(1)第10691号
年中無休・10:00〜19:00
📌 まとめ
認知症・知的障害等で判断力が低下している方でも、家族・支援者・後見人が代わって生活保護を申請することができます。成年後見の申立てを待つ必要はなく、申請を先に進めながら並行して後見申立てを行うことが実務上の正しい順序です。後見人が選任された後は保護費の管理・代理納付・賃貸借契約の代理を後見人が担えます。名古屋市では地域包括支援センター・社会福祉協議会成年後見センター・法テラスが相談窓口になります。住まい探しは不動産のイブキへご相談ください。






